直帰率が高いキーワードは原因を考えて改善する
昨年から、Google広告では管理画面内で表示項目を増やす事でキーワードごとの直帰率を確認する事が出来るようになりましたね。
アクセス解析でも、各検索クエリの直帰率を確認してリスティング広告の改善に役立てている方もいらっしゃると思います。
この直帰率というのはウェブサイトへ訪問し、ウェブサイト内の他のページへ移動しなかったなどアクションを起こさずにそのまま離脱してしまったユーザー(1ページだけしか見ていないユーザー)の割合の事で、アクセス解析やGoogle広告では管理画面内でキーワードごとの直帰率を確認する事が出来ます。
そもそもこのキーワードの直帰率というのは、下げる事ができたからといって、ただそれだけで単純にコンバージョン数が増えるわけでも、1件あたりの獲得コスト(CPA)が下がり費用対効果が良くなるというわけでもありませんが、直帰率が高いという事は場合によってはチャンスロスになっている可能性が十分ありますので改善を考えていかなくてはいけません。
一般的には直帰率40~60%が基準値として言われておりますが、これはあくまでも一般的な話であって広告のリンク先ページ(ランディングページ)、ウェブサイトの構成や内容によってだいぶ変わってきます。
特にリスティング広告を運用しているのであれば、広告のリンク先ページを1ページで完結させるような作りにしている事も多く、この直帰率はあまり参考にならないと考える事もあります。
そういったケースでは、この直帰率に対してあまり神経質になる事もない気がしますが・・。
さてその「直帰率が悪いな」、「改善しようかな」と考えたときにこれは直帰率に限らずですが、まず直帰の原因を考える事が大切ですね。
その直帰率の原因を考えるときに、現状の確認をしていくポイントは
・検索クエリ
・そのキーワードの広告文
・そのキーワードの広告リンク先ページ
の3点です。
直帰してしまう原因というのは、主に以下のようなものが考えられます。
・そもそもそのユーザーは自社商品のターゲットではなかった
・期待以下の内容だった
・直帰するつもりはなかったが動きようがなかった、動けなかった
部分一致などでリスティング広告を運用している場合、入札しているキーワードからのみ流入しているとは限らないので直帰率が高いキーワードの検索クエリを確認し、ターゲットではない(と思われる)ユーザーからの流入がどれほどあるのか確認してみます。
ターゲットではないユーザーから流入があれば、そのキーワードを除外キーワードとして設定するなど施策をしなくてはいけません。
また、ターゲットではない流入を減らすために広告文も確認しなくてはいけません。
広告文を作るときには、自社の商品やサービスの「売り」や特徴、他社との違いをその広告文に入れることが多いです。
それ自体間違った事ではなく、どちらかと言えば正しい広告文の作り方だと言えますが、限られた広告文の文字数内で、より自社商品やサービスの成約に近いユーザーをウェブサイトへ連れてくるというのであれば、そのキーワードで検索する人はどういう人なのか、どういう状況で検索し、どういう情報を求めているのか、という事を想像し広告文に「自社商品は何なのか」という基本的なことを明記することを忘れないようにするなど、そのユーザーのレベルに合わせた広告文作りをし、それを踏まえた上で売りや特徴、他社との違いなど独自性を表現していく事が大切です。
リンク先ページに関しても、そのターゲットとして考えているユーザーの期待を裏切らないような内容にしなくてはいけません。
こちらも同様に、検索するユーザーを想像してそのユーザーが求めている情報を提供していく必要があります。
また、リンク先ページに関しては、そのページを見たあとにどこへ動いたら良いかわからないから直帰したという事も考えられますので、ユーザー動線を意識したページの設計やユーザーの背中を押すような、次の行動を促すような文言を追加するなどの改善をしていく事も大切です。
このようなリンク先ページの改善は、リスティング広告の管理画面を使ってすぐに変更できるというものでもありませんので、改善の優先順位が低くなってしまうかもしれませんが、コンバージョン率を上げていく、高いコンバージョン率を継続させていくという点では有効な手段だと思います。
以上の他にもユーザーが自社商品やサービスのターゲットではなかったという点では、広告配信地域や配信スケジュールなどターゲティング設定などを見直さなければいけない場合もあります。
この他にも直帰率の改善にあたり見ていく点、原因となる点はあると思います。
一番最初に直帰率を改善したからといってコンバージョン数が増えたり1件あたりの獲得コストが下がったりするわけではないと書きましたが、直帰するユーザーがコンバージョンに至らない、またはコンバージョンに貢献しないと仮定した上で、リスティング広告から毎月5,000のユーザーが訪問し、直帰率が80%だったものを70%に改善する事が出来たら、500のユーザーがコンバージョンに一歩近づく、仮にクリック単価が100円だったとしたら50,000円分の広告費がコンバージョンに近づくというように考えたら馬鹿には出来ないですよね。
株式会社アイエムシー 大塚雅智