リスティング広告の適正な予算とは
リスティング広告の特長の一つに「広告費をコントロールする事ができる」というものがあります。
「ここは月額○○万円の広告費です」というような料金体系ではなくクリックされるごとにデポジットしている広告費からクリック単価が引かれていくというクリック課金型で、そのデポジット分は決められた金額はありませんので自由に設定する事が出来ます。
ただこの広告費について、特に決まっているわけではないために「どれくらいが適正な広告費ですか?」というご質問をいただく事がよくあります。
リスティング広告の運用方針によっても広告費の設定方法は変わってくると思いますが、私個人的には、最初からガチガチに予算を決めてリスティング広告の運用を始めるよりは、ある程度幅を持たせた予算組みをしていったほうが良いと思います。
ただ、ある程度の予算は決めなければいけないという場合、基本的な広告費の算出方法として、どれくらいのコンバージョンを得たいのかという「目標のコンバージョン数」と、1件あたりにのコンバージョンにいくらかけられるのかという「1件あたりの獲得コスト(CPA)」から逆算して広告費を出していく方法があります。
例えばコンバージョンが月100件欲しい、1件あたりの獲得コストは2,000円以内にしたいという場合には20万円を広告費とする、という事になります。
コンバージョン率(CVR)がわかっている状態であれば、キーワードのクリック単価(CPC)を決める要素となる入札価格の設定もそれに合わせてしていく事が出来ますね。
コンバージョン率が仮に3%だった場合には、1件あたりの獲得コスト2,000円×コンバージョン率0.03で、入札価格は60円という事になりますね。
そのように設定しておけば理論上は獲得コスト2,000円を超える事はありません。
ただこのとおりにリスティング広告のアカウントを設定したとしても、全てうまくいくとも限りません。
クリック単価の入札価格が競合他社よりも低く掲載順位が低いためクリックがあまりされないとか、選定しているキーワードがニッチ過ぎて検索する人があまりいなく、広告の表示回数が極端に少ないなど色々な原因により、思っていたものとは違った結果が出てくる場合もあります。
また、リスティング広告は自社の商品やサービス、今まではうまくいっていたアカウントで特に何も変更などしていなかったとしても、競合他社の変化や季節要因などその他の事が影響して数値が変わる事もありますので、その点はこまめに確認しつつ、適宜対策をしていく事が大切です。
「目標のコンバージョン数は多ければ多いほど」、「獲得単価は安ければ安いほど」というような方も中にはいらっしゃいますよね。
もちろんコンバージョン数は多ければ多いほど、獲得単価は安ければ安いに越した事はありませんが、ある程度目標とする指標を決めておいたほうが改善が捗りますよね。
またはまずは始めてみて、最初に出てきた掲載結果を元にどれくらいの数値を目指していくのかと決める方もいらっしゃいますが、そういった方法もアリだと思いますよ。
ただ1点注意しておきたい事は「あまり予算を絞りすぎない事」。
予算を絞り過ぎるあまり、1日の予算を低く設定してしまい広告の表示回数(インプレッション)に対する損失率が高くなってしまうと、それに合わせてコンバージョン率も下がってしまう傾向があるので、そういう点だけ注意しておきましょう。
株式会社アイエムシー 大塚雅智