ターゲットをきちんと理解してメッセージを伝えていく事が大切

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このコラムでも以前から何度か書いていることですが、ユーザーのレベルに合わせた広告文作りや広告のリンク先ページの見せ方というのは非常に重要です。

自社商品やサービスに対するユーザーの理解の深さというのはそれぞれなので、同じ商品でも訴求ポイントを変え、メッセージの言い方、伝え方、届け方を変えていかなければいけないという事です。

以前からその事をこういった文章でどういうことなのかを伝えるのはなかなか難しく感じていましたが、年末からお正月にかけてよい例、というか極端な例があったので書きたいと思います。

昨年末から、最近でもよくテレビCMもやっていて、Yahoo!ビジネスセンターのTopにも一時期バナーが出ていたスマホアプリ「カカオトーク」。

テレビCMではいくつかパターンがあるようですが、バナー広告でも「500種類以上のスタンプがすべて無料」という伝え方をしていますよね。

この「スタンプ」というのは、コミュニケーションツールとして昨年から人気のあるLINEやこのカカオトーク内でのテキストメッセージで使う事ができる絵文字のようなもの。(LINEもカカオトークもやった事がないので認識が違かったらスイマセン)
最近では人気キャラクターのスタンプなどもあり、そのスタンプは有償のものもあれば、無償のものもあるようです。

このカカオトークのCMなど広告の訴求ポイントは「500種類以上のスタンプがすべて無料」という事ですが、テレビCMを昨年末にはじめて見た時、私は「???」となりました。
「スタンプって何?」と。そして調べてみると上記のような説明に辿り着きましたが、その絵文字のようなスタンプが有償という事にも少し驚いてしまいました。

この場合、カカオトークは完全にLINEユーザーに向いていると言えますよね。
要はLINEをやっていない私はその「スタンプが全て無料」という事に魅力を感じないわけで、逆の立場で言えばカカオトークは私のような人間はターゲットではないと判断しているんですね。
LINEのようなツールやサービスを使った事がない、いわば純新規客はターゲットから除外し、完全にLINEユーザーを取り込むという戦略をとっているという事です。

このカカオトークは万人に向けた広告ではなく、そういった戦略の基にきちんとターゲットに向けたメッセージとして広告展開しているんだと思いますが、リスティング広告のご相談をいただいたときなどに、そうではないケースが多々あります。

例えばリスティング広告のご相談をいただき、広告主の方々と打ち合わせをしている時など、広告主側は「とにかく自社のお客さんを増やしたい」という希望がある、新規だろうが他社からの乗り換えだろうが関係なく、とにかく数を増やしていきたいと考えているのに、訴求するポイントはその中の限られたターゲットにしか向いていないというもの。

またターゲットのセグメントをきちんとしているのにも関わらず、メッセージが単一で、どう考えてもこのターゲットユーザーにこのメッセージを伝えても意味がわからないだろうなという事。
メッセージが遠すぎて商品やサービスの購入に繋がらないのではないかというものなど。

ここを修正しないでそのままリスティング広告の話を進めていくと、想定しているターゲットは広いのに、そのメッセージに反応するユーザー層は狭い、結果として費用対効果が悪くなるという悪循環に陥る可能性がかなり高くなります。

そうならないために、ターゲットと考えているユーザーを例えば訴求ポイントごとに縦に分けたなら、それに「理解の深さ」という横軸を入れてさらに細分化し広告の伝い方を考えていく事が大切になります。

このカカオトークの広告についてはテレビCMも含めて、かなり割りきっているんだと思いますが、万人向けというイメージがあるテレビCMでここまで割りきってやるというのはそれだけLINEユーザーが多いという事も言えるのかもしれませんね。

株式会社アイエムシー 大塚雅智

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