広告の掲載順位が下がってしまった時の考え方と対処法
もう何年も前にリスティング広告を導入し、継続して運用をされている方もいらっしゃると思いますが、そういう方から「特別、入札単価を抑えたとかしたわけではないのに最近広告の掲載順位が下がった」というお悩みをお聞きしました。
確かに数年前と比べるとリスティング広告の認知も上がり、導入している企業も増えてきているので全体的に掲載順位が下がったり、クリック単価(CPC)が上がったりという現象が起きることは考えられますよね。
掲載順位が下がる原因としてまず考えられるのは、上記のとおり競合他社が増えたという事だと思います。
他社が増えて、自社の広告よりも上に表示されているならば当然掲載順位は下がりますよね。
「たまに自分でチェックしているけど競合他社は別に以前とあまり変わらないんだけどな」というように、競合他社が増えたという実感がない方は、一度検索クエリを確認してあまりチェックをしていない検索クエリで検索してみてください。
そうすると自社で入札はしていないが検索クエリ(部分一致)で拾われているキーワードのところで新しい競合他社を発見できるケースがあります。
新しい競合他社が出てきた場合、場合によっては自社のメッセージの伝えかたを変えていかなくてはいけませんので注意が必要です。
Google広告だと、自社の広告と同じように出ている競合他社の数やドメインはオークション分析レポートで確認する事が出来ます。
新しい競合他社が出てきていなくても、他社の順位が以前よりも上がったために自社の順位が下がったという事も考えられます。
このオークション分析レポートは、他社の平均掲載順位も確認する事が出来るので、そこを定期的に確認してみると自社の順位変動の原因を特定できるかもしれませんね。
また、このほかに順位が下がってしまう原因としてはキーワードの品質スコアが下がってしまったという場合です。
ランディングページや広告文などで掲載ガイドラインを違反したりするなど、よっぽどの事がない限り急激に下がる事はないですが、広告文/ランディングページの変更、相対クリック率の低下などが原因で、少しずつ品質スコアが下がっていってしまったのなら、広告文、ランディングページ、クリック率(CTR)など見直して品質スコアの改善をしていく事が必要になりますね。
掲載順位が下がってしまった原因はどうあれ、必ずしも上位掲載=広告の成功というわけではありませんので、あくまでも広告のパフォーマンス、コンバージョン数や1件あたりの獲得コスト(CPA)を軸に見ていかなくてはいけません。
「検証した結果、コンバージョン数が減った原因として掲載順位の低下が考えられる」と結論を出したならば、費用対効果は一時的に今よりも悪くなる可能性もありますが1件あたりの獲得コストを見ながら許す限りキーワードの入札価格を上げ、掲載順位の改善をしていくなどの施策をしていく必要があります。
「もうこれ以上クリック単価が上がってしまうと採算がとれなくなる」という状況であれば、コンバージョン率を上げるなど、他に目を向けて施策を検討するのも一つの手だと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智