キーワードを絞り込む時も仮説を立てていく
リスティング広告の費用対効果を高めるための考え方として効果の高いところに絞り込む事があります。
リスティング広告はご存知のとおり掲載結果が全て数値として出てくる広告で、成果の部分ももちろん数値として出てきますので「効果の高い部分に絞り込んでいく」という作業自体、簡単といえば簡単ですよね。
でも「ただ絞り込む」といった場合、その絞り込んだ事により本来獲得できていたかもしれないコンバージョンが獲得できなくなる恐れがありますので注意が必要です。
広告配信の時間帯や曜日での配信などの場合、コンバージョンの差が出来た時に「どうしてこうなるんだろう」と考える事はあると思いますが、それはキーワードでももちろん同じ事が言えます。
例えば「午前10時から午後4時までの間にコンバージョンが集中しているとか」、「月曜日~火曜日にコンバージョンが集中している」などという結果がありますよね。
2年、3年というように長い期間データを取り続けて、上記のような結果が出ているのであれば、あまり何も考えずに「そこに絞ろう」という決断にもなるのかもしれませんが、このような結果が出ている状況で、長い期間であれ、2ヵ月、3ヶ月という短い期間であれ、まず「なんで午前10時から午後4時にコンバージョンが集中しているんだ?」、「なんで月曜日~火曜日にコンバージョンが集中しているんだ?」という疑問が沸いてくるはずです。
そこから、「子供、旦那を送り出して、夕食の準備などはじめるまでの時間に見ている専業主婦なのかも」とか「土日に家族や親戚とと集まってゆっくり話し合いをするから月曜日、火曜日なのかも」とか、という仮説を立てていく事が出来、「じゃあ夜のうちは配信を停止しておこうか」という施策や、その仮説から「専業主婦は子供旦那が寝静まった後にもう1度検索するタイミングがあるかも!」というような発想に繋げていく事も出来ます。
これはキーワードでも同様に、「このキーワードはもう購入する事は決めていて、あとは値段とかアフターサービスとかを検討している人なのだろう」とか、「このキーワードは商品を購入しようという人ではなく、調べ物をしている人がほとんどだからコンバージョンが発生していないのかも」とか。
購入を既に決めていると思われるキーワードであれば、同じように広告が出てくる競合他社と比較して、「より自社の商品の良さを伝える事が出来ればコンバージョンに繋げる事が出来る」というように、施策を考えていく事が出来ますね。
コンバージョンが発生していないキーワードでも、すぐにキーワードの入札をやめるのではなく、広告文やランディングページ等、「メッセージの伝え方」を見直す事でコンバージョンが獲得出来るキーワードにしていく事も考えられます。
そういったキーワードがあったにもかかわらず、ただ数値だけを見て「コンバージョンが発生していないから」という理由で入札をやめてしまったのであれば、それは機会損失になりますしもったいないですよね。
なので、コンバージョンが発生しているもの、発生していないものに限らず、何か施策をする時には上記のように仮説を立てて「どうしてこのような状況になっているのか」を一度考え、可能性を探っていく事が非常に大切だと思います。
もちろんリスティング広告の運用方針が「とにかく費用対効果を高く!」というものであれば、何も気にせず絞り込んでいく事も手段の一つですし、間違いではないと思いますが、コンバージョン数が頭打ちになった時などに、絞り込みの際に除外したキーワードを、再度入札するというのはかなり勇気がいりますし、人によっては再度の入札は検討もしないという方もいらっしゃると思いますので慎重に検証したほうが良いと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智