クリック単価（CPC）が安ければいいのか

公開日: 2013年9月19日／更新日: 2020年9月25日大塚　雅智

カテゴリー: ECサイト向け, 指標の改善タグ: CPC, キーワード, クリック単価, クリック数, コンバージョン, リスティング広告パーマリンク

「クリック単価（CPC）を下げたい」というご相談をいただく事がたまにあります。

数年前より競合他社が増えてきてクリック単価が高騰してしまい、結果として費用対効果が悪くなってしまったという話なのですが、その場合「クリック単価を下げたい」というご要望とはちょっと違ってきますよね。

「クリック単価を下げたい」というよりは「もっと効率良く集客をしたい」とか、「広告費をもっと活用したい」というご要望になるのでしょうか。

どんな事してでも、ただ単にクリック単価を下げるだけでいいというのであれば、そんな簡単な依頼もないですしね。

仮にクリック単価が今の金額以上になったとしても、1件あたりの獲得コスト（CPA）が今の半分になるのであればそのほうがお客様だって喜ぶと思います。

もちろん、「クリック単価はコストになるわけですから低い方が良いに決まっている」という考え方もあります。
確かにそう聞くと低い方が良いな・・・と思ってしまいがちですが、リスティング広告を運用する目的から考えれば、売り上げを上げる事が出来たのか、効率良く集客する事が出来たのかという事が大切なのであって、クリック単価が低ければそれで良いという問題ではないので何とも言えません。

当たり前の話ですが、そもそも「広告をはじめる」という事は、広告費というコストがかかってきます。

なぜ広告をはじめるのかを考えた時に、大抵は「今以上に販売数を増やしたい」とか「今よりも売り上げを伸ばしていきたい」とかそういった目的があって、その目的を達成する手段としてリスティング広告を導入するのだと思いますので、そのリスティング広告を構成している一部分であるクリック単価なんてハッキリ言って関係ないと言えば関係ありませんよね。

要は、その目的を達成できるかどうかが問題であって、クリック単価なんて安くても高くても特に関係は無いんだと思います。

例えば、今よりもっと売り上げを上げたいという目的でリスティング広告を始めた場合、以下のアカウントAとBのどちらが良いですか？」と聞かれたら何と答えますか？

A：広告費100,000円でクリック単価100円、1,000クリックのアカウント
B：広告費100,000円でクリック単価50円、2,000クリックのアカウント

Ｂのほうがクリック数が多いから「B」と答えますか？「クリック単価を低く抑えて同じ広告費で2倍のクリック数が獲得出来るBのほうが良い」と思いますか？

これだけで判断しろと言われても、この情報だけではどちらが良いアカウントなのかなんて判断できませんよね。

上記の情報に「Aのほうはクリック単価がBの2倍でクリック数は半分ですが、コンバージョン率は5%あります、Bのほうのコンバージョン率は1%です」という情報が追加されたらどうですか？

Aは1,000クリックに対して5%なのでコンバージョン数は50件、Bのほうは2,000クリックに対して1%なので20件、それでもまだBのほうがいいと思いますか？

おそらく、よっぽどの事がない限りAのほうが良いと答えますよね。

確かにクリック数を増やす事でコンバージョン数が増えるな～と感じる事がありますが、それはクリック数が増えたからではなく、しかるべきクリックを増やす事が出来たからコンバージョン数が増えたという事に過ぎません。

クリック単価は安くクリック数が多いに越したことはありませんが、あくまでも「越したことはない」というレベルの話であって、全ては目的ありきの話です。

もともと広告を使うつもりであったならば、その広告を使う目的を忘れないで、リスティング広告を運用する事に対するリターン（利益）と向き合わなければいけないと感じます。

以前からこのコラムでも書いていますし、リスティング広告を本気で運用する方であれば心に銘じている事ですが、リスティング広告は数値が全て出てくるので、その数値を改善し効果を上げていきます。