1件あたりの獲得コスト(CPA)が高くなる原因
リスティング広告を運用していると様々な数値が出てきますが、その中でもリスティング広告運用担当者が費用対効果の目安として考えている重要な指標として「1件あたりにの獲得コスト(CPA)」というものがあります。
この1件あたりの獲得コスト(CPA)とは、「広告費÷コンバージョン数」で算出されるもので、要は「1コンバージョンあたりにかかった広告費」という事になります。
ECサイトであればコンバージョンを購入完了ページに設定している事が多いと思いますので、1回の購入が発生するのにかかった費用(広告費)が1件あたりの獲得コストになります。
またコンバージョンをお問い合わせ完了ページやメルマガ登録完了ページに設定している場合にも、その1件を獲得するのにかかった費用がいくらなのか、という数値が1件あたりの獲得コストになり、一般的にはこの数値が低ければ低いほど良いとされています。
リスティング広告の費用対効果が一発でわかる指標なので、この数値を成果の指標として定めて、日々下げるべく改善をしていくという方も多いと思いますが、リスティング広告を運用しているとこの1件あたりの獲得コストが上がってしまう(費用対効果が悪くなってしまう)事もあります。
もちろん季節的な要因などもあると思いますが、この1件あたりの獲得コストが上がってしまった場合、その原因を突き詰めて改善をしていく必要があります。
まず、1件あたりの獲得コストとは広告費÷コンバージョン数で計算されますが、その広告費とコンバージョン数の内訳として、広告費は「平均クリック単価(CPC)×クリック数」で、コンバージョン数はクリック数×コンバージョン率(CVR)」となります。
なのでこの1件あたりの獲得コストが上がってしまった!という場合、クリック単価、コンバージョン率、場合によってクリック数の中身を見ていく必要があります。
コンバージョン率にあまり変化がない場合は「クリック単価が上がってしまった」という事が考えられます。
(コンバージョン率を見るまでもなく、クリック単価を確認すればクリック単価が上がっている事はわかりますが)
この場合、競合他社が増えた、入札しているキーワードのクリック傾向に変化があったなど、クリック単価が上がってしまった原因を突き止めて施策をしていく必要があります。
また1件あたりの獲得コストが上がってしまう時の原因で一番多いのは「コンバージョン率が下がってしまう」ことです。
このコンバージョン率が下がってしまう原因というのも様々ありますよね。
例えば競合他社が増えたというような外的な要因もあれば、アカウント内のキーワードの品質の変化によるクリックの中身の変化や、広告文を変更した際のユーザーの誘導ミス、広告のリンク先ページの変更によるコンバージョン率の低下など、色々と考えられます。
あとはその原因に合わせて適宜改善施策をしていく事でコンバージョン率も改善され、結果として1件あたりの獲得コストも下げていく事が出来ると思います。
1件あたりの獲得コストは、きちんと対策さえ理解していれば必ず改善する事が出来る指標です。
この指標、先程も「一般的には低ければ低いほどよい」と書きましたが、あまり目標値を低すぎに設定しておくとコンバージョンの数が獲れなかったり、出来る施策の幅を狭めてしまう事にもなりかねませんので、適切な目標値を立てておくことも効率良くリスティング広告を運用するポイントです。
株式会社アイエムシー 大塚雅智