運営しているECサイトを赤字にしないために
「リスティング広告を導入しているけど、ECサイトのほうはずっと赤字です」というようなご相談もいただく事がよくあります。
特に商品単価の低い商品を扱っている場合には広告費も限られてきてしまうため、平均クリック単価(CPC)や1件あたりの獲得コスト(CPA)もシビアに設定し、それがシビアすぎるからなのか、パフォーマンスを発揮する事が出来ずにそのままの状態になってしまっている・・・。
こういう事はよく考えられる事ですよね。実店舗を持っていて、尚且つECサイトの運営もしているというのであれば、まだECサイトのほうは赤字でも・・・と考えるかもしれませんがECサイトのみでビジネスをやっている方からしたら、赤字が続いてしまうのは致命的ですよね。
リスティング広告は「広告」なので、当たり前ですが商品が売れる前に広告費が発生します。
なので、赤字にならないためにはその広告費以上のリターンを獲得出来るように考え、設定していく事が大切です。
その赤字にならないための設定をする第一歩として、先程も書きましたが、「上限の1件あたりの獲得コスト」を設定していく必要があります。
この1件あたりの獲得コストや商品の仕入れ単価、原材料など諸経費が商品単価を上回ってしまう状態が赤字の状態ですよね。
「広告費を入れなくても既に赤字だ」という人がもしいるのであれば、それはその商品や価格設定に問題があると思いますのでまずはそこを見直さなければいけませんが、そうでない場合がほとんどだと思いますので、そういう方は「1つの商品を売るために上限いくらまで広告費を掛けられるのか」という、「上限の1件あたりの獲得コスト」をきちんと設定する事が大切です。
多数の商品を扱っている場合には、より正確に1件あたりの獲得コストを管理しようと、それぞれの商品に対して上限の1件あたりの獲得コストを設定する事も一つの手ですが、リスティング広告で売れる商品と利益率の高い商品とは必ずしも一致するわけではないので、全体で計算し上限の1件あたりの獲得コストを決めるのもアリだと思います。
また、商品を購入したユーザーがリピートをしてくれる場合、上限の1件あたりの獲得コストが低すぎると、改善をしていく時やさらにコンバージョン数を伸ばしていきたい時に、出来る施策が限られてしまう可能性がありますので、リピートが見込める場合はその金額も含めた金額を上限の1件あたりの獲得コストに決めたほうがよいと思います。
その設定した上限の1件あたりの獲得コストを基準としてアカウントの設定をおこなっていけば、まず赤字になる事はありません。
例えばコンバージョン率2%の商品で上限の1件あたりの獲得コストを3,000円に設定した場合にはクリック単価を60円に設定しておけば赤字になる事はありませんよね。
基本的にはリスティング広告のアカウントをこのように設定しておけば、コンバージョンを獲得したら獲得した分赤字になる・・・という事は避けられます。
ただ、最初にこのように設定をしておいたとしても、コンバージョン数が増える事もあれば減る事もありますし、予測通りにならない事も多いですよね。
もし仮に予測通りにならなかったとしても、この予測に基づいた改善をし、上限の1件あたりの獲得コストを目指すという改善を考えていくと、施策もブレないためそこまで最悪の状況にはならないのではないかと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智