手段を目標にしてはいけない
このコラムにも何度か言葉を変えて書いていますが、リスティング広告を運用するにあたって、目標を忘れてはいけません。
「目標なんか忘れるわけないじゃん!」って思う方がほとんどだと思いますが、今まで色々な方からお話をお聞きしていると、なんでそうなるのかな?と思う事が多々あり、結局クリック単価が下げるだとという話になってしまう事があります。
こちらからすると「今はクリック単価なんかどうでもいいじゃないか」と思ってしまうのですが、そういう話になると、クリック単価を○○円まで下げる事が目標のような話し合いになり、それより前に話が進まなくなるので、一度仕切り直しをしないといけなくなります。
あたり前の話ですが、目標とはリスティング広告を導入した時に決めた目標の事です。
「毎月○○個販売する」とか「毎週売上○○万円」というように具体的な数字でなければいけません。
クリック単価がどうでもいいという訳ではもちろんありませんが、クリック単価を下げたからといって必ずしもコンバージョン数が増えるわけではなりませんよね。
限られた予算の中でコンバージョン数を増やすために、クリック単価を下げるという事も手段の一つとして考える事が出来ますが、ただ単にクリック単価を下げれば良いというものでもありません。
なのに、リスティング広告を運用していくとクリック単価だけではなく、「クリック率は○%以上」とか「クリック数は○○回以上」というように、訳のわからない指標を目標にしてしまう事があります。
こういったクリック率、クリック数はもちろん、広告の表示回数もコンバージョン率もクリック単価も掲載順位も1件あたりの獲得コストもあくまでも目標を達成するために行った施策の結果というだけであり、その施策を決定する材料にはしますが、その数値そのものを目標にするのは、必ずしも良い結果を生むとは限りません。
逆に、そういった「指標」に固執するあまり、目標とするコンバージョン数を達成する事が出なくなるケースもあります。
これはリスティング広告に限らず、ウェブサイトにも言える事だと思います。
ウェブサイトの直帰率が高いから・・・と、直帰率を下げるために施策をおこなった結果、わざとユーザーに遠回りをさせるような改善をしていたり。
「直帰率を下げる」事が目標となってしまい、直帰率を下げる為だけの改善をするのではなく、「なぜ直帰をするのか」という所から考えて改善をしていかなければコンバージョン数は増えませんよね。
直帰率を改善する、離脱率を改善する、平均PV数を伸ばすなど、全てコンバージョン数を増やしていくための手段であり、その手段が目標ではありません。
何度も書いていますが、リスティング広告にしてもアクセス解析の数値にしても、ウェブを運用する時には様々な数値が出てきます。
ウェブサイトへの訪問は入り口の所から出口まで、全て数値で計測する事が可能なので、その数値を重視しなくてはいけない事もわかりますが、そうする事で本来の目的を見失い、ただの指標を目標にして別の方向に向かって走ってしまうのだけは気を付けなければいけません。
株式会社アイエムシー 大塚雅智