初期設定も運用改善と同じくらい大切
リスティング広告は、配信結果が全て数値として出てきますので、よく「運用型広告」とも言われます。
なので、初期設定以上にリスティング広告導入後の運用や改善の部分のほうが大切だという方もいらっしゃいますよね。
私も広告の掲載結果を見て、目標と照らし合わせて問題点を見つけ、改善していく事が非常に大切だと思いますが、それと同じくらい初期設定は大切だと思っています。
適当に設定をしてリスティング広告を始めてみても、成功する事もある事はありますが、当然のことながら、初期設定で手を抜くと失敗する確率が高まります。
リスティング広告はクリック課金型の広告なので、きちんとターゲットに向けた設定をして、ターゲットに向けた広告配信をおこなっていかないと、広告費ばかりかかってしまい費用対効果が合わない・・・という事態になってしまう事もありますし、ちょっと的外れな広告文を配信してしまったために、本来獲れたコンバージョンが獲れなくなってしまう事もあります。
これは非常にもったいない事ですよね。
また初期設定の段階で手を抜いてしまうと、上記のように失敗する確率が高くなると同時に、失敗したときの問題点が若干見つけにくくなるため、その後の改善のスピードにも影響してきます。
リスティング広告の初期設定とは、まずターゲットとなるユーザーが誰なのか?どんな状況で検索し、どんな人が買っていくのか、という仮説を立てて、その仮説を元にキーワードの選定などをしていきます。
その後、キャンペーン分け、広告グループ分け、除外キーワードの設定やキーワードのマッチタイプの設定、広告文作り、ターゲティング設定等々、というように初期設定をしていきますが、広告グループをきちんと分けていなかったり、除外キーワードやマッチタイプの設定をきちんとしていないなど、初期設定で手を抜いてしまうと、ターゲットユーザーに届き、広告がクリックされているのかどうかという所から検証していかなければいけません。
同じ「成果が上がらなかった」という結果が出たとしても、元々ターゲットユーザーに届いている前提で改善施策を考えるのか、ターゲットユーザーに届いているのかどうかわからない状態で改善施策を考えるのかでは、作業工数などもかなり変わってきますよね。
広告文一つとっても、きちんと明確な意図がある広告文と、なんとなく作った広告文とで結果が良くなかった時の考え方を比べてみると、明確な意図のある広告文は「○○はターゲットユーザーが求めているものではなかった」と判断出来るのに対し、なんとなく作った広告文は「何がダメだったのか考えよう」となってしまいます。
そうならないために広告文の作成なども含めた、リスティング広告の初期段階できちんとした設定をおこなう事は非常に重要です。
このように書くと、「初期設定をきちんとやっておけば、その後の運用改善が楽なんだ」と感じてしまうかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。
どこか少しの改善で効果が劇的に変わるのであれば良いですが、仮説が外れていた場合、アカウント全部を作り直すとまでは言いませんが、大幅な改修をしなくてはいけないケースもあります。
ただ、初期設定をきちんとやらなければ、本来やらなくてもよい事や考えなくてもよい事までしなくてはいけなくなるため、余計大変になってしまいますよね。
リスティング広告は比較的手軽に始める事が出来る広告ですが、手軽に始めてしまうが故の失敗も多々ありますので、最初は手を抜かず、きちんとした初期設定をするように心がけましょう。
株式会社アイエムシー 大塚雅智