予算不足による機会損失は本当にもったいない
リスティング広告は広告予算も広告主側で決める事が出来る広告です。
この予算はまちまちで、月間数百万円、数千万円使う企業もあれば、毎月一万円~二万円という広告費で広告を出している企業もあります。
もちろん、広告予算が多いほうが商品購入やお申し込みなどのコンバージョン数を多く獲得出来る可能性がありますし、あまり効果的でなかった場合でもデータの母数が大きいため改善をしていくスピードも早める事が出来ます。
ですが、だからと言って少ない広告費がダメだとは言い切れません。
少額でも、きちんと自分のビジネスに合った成果を出し続けている方もたくさんいらっしゃいますし、少額でも勝負できるのがリスティング広告の特長の一つでもあります。
リスティング広告はクリック課金型の広告で、検索ユーザーが広告をクリックした段階でその都度課金されていきますので、どんどんクリックされていけば、どんどん広告費の残高が減っていきますが、広告費が予算を大きく上回らないために「一日の予算」というものを設定する事が出来ます。
この「一日の予算」を設定する事で、月間の広告費をコントロールする事が出来ますが、リスティング広告で設定しているキーワード数やキーワードの入札価格に対して一日の予算が少ない場合には、広告がその日、表示されなくなってしまう、もしくは検索をしても出たり出なかったりというように間引いて表示されてしまいます。
月間を通して安定して広告を表示させたい、という観点からすると、とても便利な機能のように感じますが、この一日の予算を低く設定してしまうと、機会損失が生まれてしまう為、注意が必要です。
その機会損失とは、まずに「コンバージョンを獲得出来る機会があったにも関わらず広告が表示されていないという状況になる」という事。
リスティング広告を出す時に、何も考えずにキーワードを選定しているわけではなく、「購入やお申し込みに繋がりそう」だから選定し、入札しているのだと思います。
なので、少なからず選定したキーワードで検索がおこなわれている時に、自社の広告が出てこないという事は単純に機会損失になっていると言えますよね。
さらにもう一つ、これも似たような事なのかもしれませんが、「ターゲットユーザーが比較検討している段階で広告表示されなくなってしまう恐れ」もあります。
これも非常にもったいないことですよね。
例えば何か商品を買おうと思い、検索エンジンで検索をおこない、数社のリスティング広告を見ていた場合、リスティング広告を扱っている人やウェブに詳しい人であれば、リスティング広告の予算不足による広告の非表示が起こることも把握しているため、「そんなこともあるかと・・・」と考え、あらかじめそのウェブサイトのURLをコピーしておいたり、再訪できるようウェブサイト名等を覚えておいたりするする事もあるかもしれませんが、一般の検索ユーザーがそんなことをするとは限りません。調べていないのでわかりませんが、そんなことをするユーザーはごく一部なのではないかと思います。
「あれ?さっき見た良さげなウェブサイトどれだっけ?」と、同じキーワードで何度か検索をしてみても、再度出てくる事が無ければ諦めて他店で購入しを決めてしまうかもしれません。
リスティング広告でターゲットユーザーをきちんと自社サイトへ誘導し、「良い」と思ってもらったにも関わらず購入してもらえないというのは、リスティング広告を運用する側にとっては痛恨の極みですよね。
でも、実際はリスティング広告を出している広告主からすると、そんな極めて惜しい状況であったという事はわかりませんので、広告が出てなければ「ああ、広告が切れちゃったな」で済ませてしまうかもしれませんが、こういった状況になっていたと考えると気が気ではありませんよね。
そうならないために、予算を決める際はこういった予算不足に陥らないような予算を組むか、リスティング広告側で予算に合わせた設定をしていく事が大切です。
また、広告予算も全部に対して金額を決めなければいけないという訳ではないので、コンバージョン率の高いキーワードと低いキーワードに分けて、それぞれに予算を割り振り、コンバージョン率の高いキーワードに対してはそういった機会損失を生まないような予算設定をしておくという事も有効な手段の一つです。
この予算が不足しているのかどうかというものは、管理画面内で検索され広告が表示される機会に対して「インプレッションシェア」で確認する事が出来ます。
予算に関しては、「まぁこれくらいでいいか」と、大体で適当に決めて、あとはそのまま決まった金額だけしか使わないという方も多くいらっしゃいますが、予算不足による機会損失を考えてみると、非常にもったいないことになっている事が多いのも事実です。
予算を増やせとは言いませんが、広告予算に合った運用法を考えて実践していくと、今以上にパフォーマンスを上げる事が出来るかもしれませんよ。
株式会社アイエムシー 大塚雅智