反響の出る、思わずお客様がお問い合わせをしてしまうようなウェブサイトを作る前に
リスティング広告を導入しようと考える方は、多かれ少なかれ、現状の集客や売り上げに何かしら不満を持っている方なのだと思います。
または新商品や新サービスのリリースするときには、まずはその商品やサービスを知っていただかないといけませんので、その手段の一つとしてリスティング広告の活用を考えるのだと思います。
あたり前の話ですが、リスティング広告をはじめる際には、集めてきたユーザーの受け皿となるウェブサイトがなければいけません。
まだ作っていないというのであればリスティング広告を開始することはできませんので、まずはウェブサイトやランディングページを作るところから始めなければいけませんし、ウェブサイトを持っていたとしても、数年前に作ってから作りっぱなし、古い情報のまま更新されていないという状態であれば、それも作り直したり手を加えたりしなくてはいけないケースもありますよね。
このように、リスティング広告をはじめることをキッカケとしてウェブサイトをリニューアルする方も多くいらっしゃいます。
そのときに、せっかくリスティング広告をするのだから、と、「反響が出る、思わずお客様がお問い合わせしてしまうようなウェブサイトを作りたい」とおっしゃる方もいらっしゃいますよね。
と言いますか、逆に「反響が出ないウェブサイト」を望んでいる方なんていないと思いますので、ほとんどの方が「反響の出る、思わずお客様がお問い合わせをしてしまうようなウェブサイトを作りたい」という希望を持っているのだと思います。
例えば歯科医院を経営していて、リスティング広告導入を機に、ウェブサイトをリニューアルしたとします。
ウェブサイトを作る目的というのは「集客」する事だと思いますので、当然見た目の良いものを作ろうとしますよね。
その医院自体は古くからある医院なため、建物も古くちょっと汚れたところもありますが、ウェブサイトで使う医院内の写真には、プロのカメラマンにお願いし、きちんと照明を使って撮り、その中から出来るだけ写りの良いものを選んでウェブサイトに掲載しようとしますよね。
撮影の前日には、建物の古さをカバーしようと、今まで頼んだことも無いルームクリーニング業者に掃除を依頼してしまったり。
また、普段は院長の奥さん(55歳)が受付をしているのに、写真撮影のときだけなぜだか若い女の子がニッコリとした微笑と共に、その席に座らせてみたり。
ウェブサイト内の文章の部分でも、ウソではないにしろ通常提供しているサービス以上のものを感じてもらえるような文章を書いてみたり・・・と。
その後、キレイに出来上がったウェブサイトに対してリスティング広告で集客をはじめてみたら、毎日予約が埋まり、ひとまずは成功だ!となりました。
しかし、それって本当に成功だったのでしょうか?
仮にそうやって集めた患者さんが来院をした時に、「ウェブサイトの写真よりも、実際の医院はなんだか古くてちょっと暗いイメージだった」、「写真は清潔感に溢れていたのに、実際にはそうではなかった」、「腕も想像と比べてイマイチだった」と感じてしまったら、どうでしょうか。
「なんか裏切られたな」と感じたお客様はその後リピートしてもらえなくなるかもしれません。
新患をたくさん集める事ができたとしても、その後に繋がらないのであれば結局赤字になってしまいますし、「自分で判断したんだから自業自得だ」と思ってもらえればまだ良いほうで、今の世の中、twitterでもFacebookでも、情報がすぐに拡散されますからね、「○○医院のウェブサイトと実際の見た目、これって詐欺でしょ!?」みたいな情報が拡散されてしまったら、目も当てられません。
だからといって、ありのままのウェブサイトを作れと言っている訳ではありません。
ただ「反響の出る、思わずお客様がお問い合わせをしてしまうようなウェブサイト」を作る前に、患者さんが来た時に「ああ、ここに来て良かった。また来たい。」と思ってもらえるような医院作りをする事がまずは大切なのではないか、という事です。
今回は歯科医院を例にしてみましたが、歯科医院のみならずどんな業種でも同じ事が言えると思いますよね。
何度か書いていることですが、実際に売れない物はリスティング広告をやろうがどうしようが、ネットでも売れません。
「売れない」というと若干語弊があるかもしれませんが、上記の例のように、ウェブサイトなどで商品やサービスを、その価値以上に見せて売ることはユーザーにとって不満足に繋がるため、短期的には通用するかもしれませんが、長期的な目で見たら必ずしもプラスになるとは考えられません。
集客や売り上げで困っていると感じたならば、まずはキレイなウェブサイトを作り、いい謳い文句を並べて集客する事を考えるよりも先に、今一度自分で扱っている商品やサービスの内容を見直してみることが先なのだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智