認知を目的としたリスティング広告の効果測定の考え方
リスティング広告はキーワード検索をしたユーザーに対し、そのキーワードに連動した広告を出す事が出来るので、一般的には顕在化したニーズに訴求する事が出来る広告だと言われていますよね。
そのため、やり方次第で他の広告媒体よりも効果を出しやすいというのも特長の一つです。
通常、リスティング広告の成果を確認するためのコンバージョンは、商品購入完了やお問い合わせ完了、予約完了のように売り上げの直結するような、成果のわかりやすい場所に設定する場合が多いですが、そうではないケースももちろんあります。
来店を促進する目的でリスティング広告を運用する場合、来店の予約など計測できるものは良いですが、そればかりではありません。
予約をせずに来店する事があたり前のようなお店であれば、リスティング広告を見て来店をしたのかどうかわかりませんので正確な効果を測定する事は難しいですよね。
また、「認知」という意味合いでリスティング広告を活用するのであれば、その効果測定はさらに困難を極めます。
例えば飲食店を経営している広告主が、特定の地名やその地名に関するキーワードを検索した時に「○○(地名)に来るならぜひ△△を食べよう」みたいに、少し関連性の低いと思われるキーワードに対して、リスティング広告を出すケースなど。
もちろんそういったキーワードに対してリスティング広告を出した場合、数値の上ではコンバージョン率も低く、1件あたりの獲得コストが高くなりますし、場合によっては1件もコンバージョンを獲得出来ないという事もあるため、リスティング広告運用者からしてみたら「そんな広告やめましょう」と広告主に対して言うところなのかもしれません。
ですが、数値に計測出来ないだけで、効果が無いとは言い切れませんし、クリックされている以上、広告を見てクリックをしたユーザーが「○○に行ったら△△という選択肢もあるのか」という認識に少しでもなったのであれば、「認知」という意味では成果があったのではないかと推測する事も出来ます。
リスティング広告のこういった使い方は、広告主にとって、それがどれほど価値として感じられるのか?という問題になるのかもしれませんが、リスティング広告の運用担当者であれば、そういう事でも成果の可能性を見つけ出す事が出来るのであれば、施策の幅や打ち手は今よりもさらに広がるのではないかと思います。
リスティング広告を運用する担当者にとって、どれが良くて、どれがダメなのかという事がわからないという事は「成果を最大化させる」という意味では非常に難しい事ではありますが、その場合、お客様の声を聞く、全体の売上の傾向を見る、来店していただいたお客様の属性を見るなど、管理画面では見る事の出来ない部分に目を向けて、効果を予測しながら、改善していくなど、手が無いわけではありません。
ウェブではリスティング広告の広告配信結果の数値やアクセス解析の数値など、リスティング広告に限らないかもしれませんが、数値が出てくるため、その数値での成果や結果を求められてしまいます。
もちろん成果を計測する事が出来れば良いため、数値だけでなく、場合によってはお客様アンケートのようなオフラインで成果を確認することも考えていかなければいけないのかもしれませんが、そういった目に見えるような成果が計測できないからといって「数値で測れないものは、ウェブ以外でやれ」というのはちょっと乱暴な気がします。
株式会社アイエムシー 大塚雅智