キーワード選びだけではないターゲット選定
リスティング広告は、お客様になりそうだと思われるユーザーが、自社の商品やサービスを欲しいと感じ、検索をした時のキーワードをあらかじめ予想し、そのキーワードで検索をされた時に広告を表示させるものです。
なので、キーワードの選び方というのは非常に重要になってきますし、そのキーワード選び=ターゲット選定というように認識される事もあります。
それは確かに間違いではありませんが、キーワードを選ぶだけでは、ちゃんと狙っているターゲットに届かない場合がありますよね。
例えば、分譲マンション専門の不動産屋さんが「目黒区 マンション」というキーワードを入札していたとします。
もちろんこの広告主は、「目黒区で分譲マンションを探している人」に向けたもので、出来ればすぐに買ってもらいたいという思いでこのキーワードを選択しましたが、「目黒区 マンション」というキーワードは、目黒区内で賃貸マンションを探している人も検索に使うキーワードかもしれませんし、目黒区のマンション価格の相場を知りたい人が使うかもしれません。
また、「ゆくゆくは、目黒区にマンションを買って・・・。」というように、妄想の材料にしている人もいるかもしれませんよね。
このように一つのキーワードであったとしても、検索するユーザーの想いや目的は様々です。
なので、「キーワードを選ぶ」という行為は、必ずしもターゲットユーザーを選定する事にはならないケースもあります、と言いますか、それだけでは不十分です。
キーワードを選ぶ事はリスティング広告を運用する事において、
まず、ターゲットを選定する上でやらなければいけないのが「ターゲティングの設定」です。
広告を配信する地域、時間、曜日、デバイスなど、ターゲティングの設定をする事で、関係のない検索ユーザー、商品を買う可能性が薄いユーザーへの広告配信を止める事が出来ますので、結果としてターゲットを絞ることが出来ます。
この他には「除外キーワードを設定」もターゲットに向けて広告を配信する上では大切な事ですよね。
マッチタイプを完全一致以外のもので入札していた場合、出稿側の意図としないキーワードで広告が表示されクリックされてしまう事が多々あります。
ある程度、無駄なクリックが発生する事は、しょうがないと言えばしょうがないのですが、上記の不動産屋さんの例で言えば、分譲マンション専門でやっているのであれば、「賃貸」というキーワードを除外登録しておけば、「賃貸 ○○」とか「△△ 賃貸」というキーワードでの広告表示はなくなります。
この「除外キーワードを設定する」という方法については、入札するキーワードのマッチタイプを全て完全一致にしてしまえば、特に設定する必要もありませんが、全てのキーワードを完全一致にする場合には、そのデメリットも十分に検討する必要があります。
また、「広告文」もターゲティングには非常に効果的です。
リスティング広告の広告文はターゲットユーザーにクリックをしてもらうためのものですが、それと同時に「ターゲットではないユーザーにクリックをさせないもの」でもあります。
ただ単にクリック率が高ければ良いというものでもなく、きちんとターゲットユーザーがクリックをしていて、ターゲットではないユーザーがクリックを回避しているのか?という所も重要になってきます。
確かに、思わず「あっ」と思う、目を引くような広告文は魅力的ですが、その内容があまりに抽象的過ぎて、サービス内容を表していないようなものであれば、リスティング広告の広告文としては失格だと言わざるを得ません。
先程の不動産屋さんの例で言えば、広告文に『目黒区の分譲マンション多数掲載』というように書いていたら、賃貸を探しているユーザーからすると「あぁ、分譲マンションが多いけど、賃貸もありそうだな」と思ってクリックするかもしれません。
しかし、『分譲マンションを専門に扱う不動産店』と書いていたら、「自分には関係ないな」と思ってクリックをしなかったかもしれませんよね。
このように広告文では、クリックをしてもらう仕掛けも必要ですが、それと同時にクリックをさせない広告文を作ると、よりターゲットユーザーを絞り込む事が出来ます。
リスティング広告はターゲットに対して的確にアプローチをする事が出来る広告ですが、設定の仕方や運用方法次第でターゲットにメッセージを届ける事が出来ない場合もあります。
正しくリスティング広告の機能を理解した上で、きちんとターゲットユーザーにメッセージを届けるようにすると、今まで以上に効果的な広告の運用が出来るようになるのではないかと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智