ネットショップだからこそ接客を考える
例えば飲食店であったりアパレルショップなど、実店舗を経営されている方であれば、接客の重要性はよく認識されていると思います。
販売促進につながったり、他社との差別化になったりと、接客は実店舗を運営する上では欠かせないものの一つになっているのだと思います。
また実店舗でなくても、例えば通販会社の場合、電話注文を受ける時の電話対応やクレーム対応もまた接客の一部だと言えると思います。
電話対応が素っ気ないものであれば買うのを辞めてしまうお客様もいらっしゃると思いますし、クレームについてもきちんと対応しなければ、悪い評判を生む事にも繋がります。
こういったエンドユーザーを相手にしている商売、物販以外にも、接客をしなければいけない場面というのはありますよね。
BtoBのビジネスであっても、電話でお問い合わせがあった場合、その対応次第で相手への印象は変わりますし、メールフォームからのお問合わせであっても、こちらが質問している事に対して冷たく返事をされると、その会社のサービスを受けようとは思いません。
その「接客」の重要度というのは、その業種・業態によって変わるのかもしれませんが、ネット上だけで商売が完結するネットショップであっても、接客は存在します。
先程書いたような、メールでのお問合わせ一つを取っても、丁寧な文章で書いてあってもなんだか冷たく感じる事ってありますよね。
特にメールであれば、尚更そういう風に感じる事があります。
こういった事以外にも、ウェブサイト上のお問合わせフォーム欄、またはその近くに「○○の関する質問はお問合わせする前にコチラをご覧ください」とか書いてあるケースがあります。
これはお客様に「お問い合わせをさせる」という手間を省いてもらうと同時に、自社にとってもお客様とやりとりをする手間を省くためのもので、確かに親切だと言えば親切だと言えるのですが、「コチラ」と書いてあるその先がQ&Aのようなページで、自分が確認したい質問を探すだけで一苦労、というようでは、あまり親切だとは言えません。
お客様が疑問に思った事に対して「コチラ」というリンク先に答えがズバッと書いてあるなら、「お客様の質問に対して店員が答える」という接客とほぼ同じだと思いますが、なにか疑問に思っているお客様が近くにいる店員に疑問に思った事を質問したら、店員に「よくある質問集」という本を渡され、「これ見てください」なんて言われたら、そんなお店では買いませんよね。
また実店舗とネットショップの両方を運営しているアパレルショップでも、実店舗ではセールストークとして店員に、「この商品は今年の新作で~。」とか「これは入荷したらすぐに売り切れちゃうんですよ~。」とか言うように指導しているのに、ネットショップではそういった事を一切書かず、写真とサイズなど最低限の情報しか書いていないという事もあります。
「今年の新作」とか、「すぐに売り切れちゃう」という言葉はお客様からしたら購買意欲を湧き立てる言葉だと思うからこそセールストークとして使っているのに、ウェブサイトでは商品を並べるだけ・・・、それでは接客を放棄しているのと同じですし、「ウェブサイトには接客が必要だ」と思うのであれば、そこは見直すべき点だと思います。
こういった細かい事を一つ一つ考えてみても、ウェブサイトで出来る接客というのはたくさんあると思います。
「ネットショップだから関係ない」とか、「人と会わないんだから接客なんか必要ない」と思っている方がいるとしたら、その方は気が付いていないだけで、今までにたくさんの機会損失をしていた可能性がありますので、見直しの検討をしたほうが良いと思います。
「ウェブサイトの中で接客をしなくてはいけないという事はわかった。でもリスティング広告はあまり接客とか関係ないよね?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、上記のような観点から「接客」を考えてみると、お客様(ターゲット)に対して探しやすくするよう掲載順位を上げておく、クリックしやすい広告文にする、広告文と広告のリンク先ページの内容を違和感なく統一させる、という事も接客の一部だと思いますし、それについてはリスティング広告で出来る接客なのだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智