リスティング広告における競合他社
リスティング広告はユーザーの検索結果画面に表示される広告で、大抵の場合、競合他社の広告も一緒に表示されるため、比較検討されやすい広告媒体ですよね。
リスティング広告をより効果的に運用しようとするならば、競合他社の広告を無視する事は出来ませんので、リスティング広告を始める前や運用開始後も定期的に競合調査をしていかなくてはいけません。
この競合他社についてですが、例えば、沖縄ツアーを専門に扱っている旅行代理店で、リスティング広告も出稿しているという方がいたとします。
競合調査をしようと、自社で入札している「沖縄 ツアー」キーワードを検索し、出てきた他社の広告を見てみると、自社の広告の他に上位に出てくるのはじゃらんとか楽天トラベルなどの広告が出てきました。
その方はその広告を見て、「じゃらんとかは競合じゃないよ」とおっしゃいました。
「なぜ競合他社じゃないんですか?」とお聞きすると、「なんでも扱う大型スーパーと専門店では業態が違うし、そもそもうちは安さで勝負していないから客層も違う」との事。
確かに、じゃらんや楽天トラベルのようなサイトと、沖縄ツアーを専門で扱っているお店とでは業態が違うというのはわかりますし、利用していただくお客様の客層も違うのかもしれませんが、競合他社ではないという事は無いですよね。
同じような商品を売っているのであれば、「沖縄旅行に行きたいと思っている(検索をした)ユーザーの中にいる、自分が狙っている層のお客様」をじゃらんや楽天トラベルではなく、自社サイトに引きこまなければいけません。
「ビジネスとしては住み分けているんだ」なんて言っても、入札したキーワードで検索をした時に、他社の広告が一緒に出てくるのであれば対抗していかなければいけませんし、そういった他社との違いに気付いてもらえるような広告文にしていかなければいけません。
そう考えると、仮に業態が違う、客層が違うと言っても、競合他社には変わりまりませんよね。
これは同じ商品、という場合じゃなくても言える事で、全く違う商品であっても入札しているキーワードで出てくる広告があれば、全くの的外れなものでない限りは競合他社になります。
先程の例で言えば、「沖縄 ツアー」というキーワードで検索をした時に、北海道ツアーの広告が出てきた、なんて場合にも、競合他社ではないとは言い切れません。
行き先を、「絶対に沖縄だ」と考えているユーザーであれば、北海道ツアーの広告なんか目に入りませんが、「今度の休みはちょっと旅行に行きたいな」と考えているユーザーであれば、北海道だってもちろん選択肢の一つに入るからです。
その広告文に、≪わざわざ暑い夏に沖縄行くよりも、爽やかで涼しい北海道でのんびりしませんか?≫なんて書かれていたら、「あ~それもいいかも!」というように考えるユーザーもいるかもしれません。
実際のビジネスでは競合他社にはならないと思っていたものが、リスティング広告では競合他社になるなんて事は結構ありますので、競合調査をする時には、そういうものも含めて調査する必要があると思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智