審査に落としたくて落としているのではない
リスティング広告は広告を出すだけであれば、どんな業種でもすぐに、簡単に広告を出すことができますよね。
すべてがネットで完結するネットショップであっても、お問い合わせを受けてから実際に商談を行い、成約するというリアルのビジネスであってもリスティング広告を使って集客し、売り上げを上げていくことができます。
しかし、Yahoo!広告、Google広告それぞれの掲載ガイドラインにより広告を出稿することができない商品やサービスもあります。
法令に違反するものや違反する恐れのあるものは掲載することができませんし、また、例えば児童ポルノだったり無限連鎖講(ねずみ講)なども掲載することができません。
そして、広告掲載がOKであったとしても、掲載ガイドラインで個別に規定があり、その規定をクリアしなければ広告掲載ができない業種やサービスもあります。
先日ネット販売が解禁となった、医薬品なども薬事法やそのほかの関連する広告基準を満たしていなければ広告を掲載することができませんし、エステや美容機器、健康食品なども、厚生労働省が定める広告基準を満たさなければ広告を出すことができません。
その広告の可否の審査についてはYahoo!広告、Google広告がそれぞれ専門の部署を作り、審査をしています。
普通の商品やサービス、商材を扱っている方であれば、普段はあまり審査を気にしたことはないのだと思いますが、このように個別にガイドラインが定められている業種や商品、サービスを扱っている方であれば、「審査NGですよ」という連絡をいただいたことがある方も多いと思いますし、中には何度もNGをもらってしまい、広告掲載自体がストップされてしまっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように審査に出しNG箇所が見つかった場合、今ではどこがNGなのかメールで教えてくれることもあるので、その部分を修正し、再度審査に出すことで審査OKになることもありますが、何度か審査NGをもらってしまい、「故意にガイドライン違反を繰り返しているのではないか」とみなされてしまうと、アカウントが凍結されてしまうこともありますので、そうならないようにきちんとガイドラインに合ったものにしていかなければいけません。
Yahoo!、Googleの審査をどのように切り抜けるのか、ということについては、はっきり言って裏技なんか存在しませんし、ガイドラインに沿った広告やウェブサイトを作りなさいとしか言えませんが、心構えとして、「Yahoo!もGoogleも審査に落としたくて落としているのではない」という事は思っていたほうがよいかもしれません。
「いきなりアカウント停止にされて、広告が残っている場合には広告費を払い戻せ、なんてメールが来た。オレは嫌われてるんだ。」とか「一方的なメールが来てアカウントが凍結された。もう一生リスティング広告が出せないんだ。」というように思われてしまった方もいらっしゃいましたが、当然の話ですが、好きとか嫌いとかそういうものは無く、ただガイドラインを守ってほしいと思っているだけで、ガイドラインに違反しているから審査に落とされているだけです。
Yahoo!もGoogleもリスティング広告の広告費は、収益の柱ですからね。とくにエステや医療関係の業界はクリック単価が比較的高く、出稿する広告主の数も多いので、この業種を全体的に締め出そうとは考えていないと思います。
ただ、厚生労働省などが出している法令に違反した広告を出してしまって、それが元で何かトラブルや社会的に大きな事件が起こってしまったら・・・、と考えると、例えばですがそのトラブルがきっかけとなり、また新たな規制が出来て、ネット広告が出せなくなってしまったら、Yahoo!もGoogleも大事な収益の一部を失ってしまうため、痛手となることは想像できますよね。
そうならないためにも(もちろん本来の「広告を扱う媒体としての責任」もありますが)きちんと専門の部署を設け、きちんと審査を行い、ガイドラインに準拠している広告だけを出稿し、健全な広告活動をしているのだと思います。
なので、Yahoo!もGoogleも審査に落としたいと思って落としているのではなく、きちんと掲載ガイドラインに準拠した形であれば逆にお願いしたい、くらいの気持ちだと思いますので、審査に落とされても、きちんと直すべきところを直すことでリスティング広告を出稿することが出来ますので、めげずにチャレンジしていくことが審査をクリアする秘訣かもしれませんね。
株式会社アイエムシー 大塚雅智