欲を出しすぎるとよくない場合もある
リスティング広告は良い部分は伸ばし、悪い部分は減らす、または配信停止や削除をする事で効果を改善していく事ができます。
例えば、1件あたりの獲得コストの目標値を5,000円に設定していたとして、5,000円以内でコンバージョンを獲得出来ているキーワードは、さらにコンバージョン数を伸ばすためにクリック数を増やすように施策をすると、今以上に効果を上げる可能性があります。
また、1件あたりの獲得コストが5,000円を大きく超えるキーワードについては、その原因を考えて施策をするか、または効果なしと判断し、配信停止や削除をする事で、今までそのキーワードに使っていた広告費を他の有効なキーワードに使うことが出来るので、結果として全体の効果が高まる可能性が高いですよね。
このように目標となる1件あたりの獲得コストを適切に設定する事で、より効果的で安定したリスティング広告の運用をする事が出来ます。
しかし、しばらく安定してリスティング広告で集客をしていると、その現状ではもの足りなくなり、「もっと1件あたりの獲得コストを下げる事ができるのではないか」と考える方もいらっしゃいますよね。
1件あたりの獲得コストが5,000円でコンバージョン数は安定しており、それ以上増やす事はあまり考えていないが、コンバージョン数はそのままに広告費の削減をしていきたい、と思い、「例えば1件あたりの獲得コストが3,000円になれば・・・」というような考えになったという場合。
その考え方自体悪い事でもなんでもありませんしそう思うのはごく自然の事だと思いますが、手を加えるときには十分注意していかなければいけません。
「無駄になっている部分を省く」というような1件あたりの獲得コストを下げる施策をするのであれば良いと思いますが、クリック単価を下げるとか余計な絞り込みをするという施策をしてしまうと、今までのパフォーマンスが発揮できなくなる恐れがあります。
クリック単価を下げることで掲載順位が下がり、結果としてコンバージョン率が下がるという事も十分考えられますし、クリック単価を抑えると表示機会まで押さえられてしまう事もあります。
また、キーワードを絞りすぎるあまり、今までフックとなっていたキーワードまで表示されなくなる恐れもありますし、それは除外キーワードの設定でも同じことが言えます。
その結果、1件あたりの獲得コストは抑えられたが、コンバージョン数が今までの数よりも減ってしまったという事もありますし、当初の目標であった1件あたりの獲得コストが5,000円を超えてしまった、なんてことも起こり得ます。
もちろん、1件あたりの獲得コストは低いに越した事はありませんが、あまり抑え過ぎると今までうまくいっていた部分までうまくいかなくなることがありますので、その点だけ注意していきたいところですね。
株式会社アイエムシー 大塚雅智