商品単価が高く利益が多い商材だけがリスティング広告と相性がよいのか
リスティング広告の話をしていると、「どんな業界がリスティング広告と相性が良いのですか?」とか、「どんな商材がリスティング広告でよく売れていますか?」という話題になる事があります。
そんな時には、「まぁどんな業種でも活用する事が出来ますよ」とか適当な事を言っていますが、正直、返答するのに困る質問でもあります。
聞いた方からすると、本当に何気なく、特別な意味などなかったのかもしれませんが
一般的には、商品単価の高く、利益の多い商材がリスティング広告と相性が良いと言われています。
不動産だったり保険だったり、金融関係などは単価や利益率が高いため、リスティング広告でも人気の高い=競合他社が多い業界ですよね。
商品単価が高く利益の多い商材というのは、ある程度の広告費を使う事が出来ますし、1件あたりの獲得コストの目標値も高めにする事が出来ます。
1件あたりの獲得コストを高めに設定する事が出来るという事は、あまり制約の無い状態でリスティング広告を運用する事が出来るため、ある程度の知識とやり方をマスターしていれば、ある程度の成果を上げる事が出来るんじゃないかなと思います。
もちろん、このような業界では競合他社もかなり力を入れてリスティング広告を仕掛けてくるため、そういった難しさはありますが、運用しやすいという意味では商品単価が高く利益率高い業界は相性が良いと言えなくもありません。
では、商品単価が低く利益率も低い商材はリスティング広告との相性も悪いのでしょうか?
例えば、個人向けのECサイトなど。
もちろん個人向けのECサイトであっても、1人あたりの購入額が大きくなるものもあると思いますが、1人あたり1,000円、2,000円しか購入してもらえないというECサイトならどうでしょうか。
1人あたりの売上額、1,000円の中から商品の仕入れ額、人件費、その他の経費などを支払いさらに広告費も出したうえで利益を残さないといけないと考えると、とても大変そうで、「リスティング広告では無理なんじゃないか!?」と思ってしまうかもしれませんが、そうとも言い切れません。
リスティング広告は上限のクリック単価を自分たちで決める事が出来ますので、”何人の訪問に対して一人売れる”という事がわかれば、1件あたりの獲得コストもコントロールする事が出来ますよね。
確かに予算が少ないと出来る施策もかなり限られてくるため、難しい運用にはなるかもしれませんが、手間をかければその分戻ってくるのがリスティング広告です。
頭を使ってターゲットユーザーがいる場所を探し、無駄を極限まで省くことが出来れば単価の低い商材であったとしても利益を出す事は可能です。
またそういったECサイトで、”リピートを見込む事が出来る商材”であり、リスティング広告を”新規獲得のための施策”と位置付けしているならば活用法が広がりますよね。
1顧客あたりの総売り上げ、総利益を計算すれば、1顧客を獲得するために掛けられる広告費をある程度確保する事が出来ます。
先ほども書きましたが、1顧客あたりに掛けられる広告費が多くなれば、出来る施策が増えるので、さらに成果を上げるための施策を仕掛けていく事が出来ます。
またリスティング広告は、使用する事で売り上げを上げていくためのものではあるのですが、”このサービスを探すユーザーがどれくらいいるのか”とか、”自社の商品の伝え方でターゲットユーザーへ響くのか”という事を確認するためにも使用する事が出来ます。
そこにリスティング広告の価値を感じる事が出来るのであれば、もう”相性がどうの”なんて話ではありませんよね。
これは業種でも商材でもありませんが、リスティング広告をやらないほうがいいなと思うのは「リスティング広告に対して否定的な考え方を持つ人」です。
こちら側がリスティング広告のメリットを正しく伝えられていなかったという事もあるのかもしれませんが、「リスティングなんてやったって意味ないよ」とか「効果がないって聞いてる」とか言ってしまう方は、やっても良い成果が出ない可能性が高くなるように思います。(そんな方は最初からリスティング広告をやろうと思わないのかもしれませんが)
仮に1ヶ月やってみて「ほらダメだったでしょ」みたいな方は残念ながらリスティング広告との相性が良くないと言わざるを得ないので、リスティング広告はやらないほうがいいと思いますよ。
株式会社アイエムシー 大塚雅智