2択だけではなくお客さまにとって必要なゴールを設定する
数年前に比べると、今では様々なECサイトがありますよね。
個人向けの物販を行っているサイトはもちろん、BtoBのビジネスであったとしても場合によってはECサイトを活用し、売り上げを伸ばしていますよね。
また逆に、ECサイトを導入したはいいが、うまくいっていない、活用できていないという企業も多くあります。
確かにECサイトを導入すると、販路が増える、営業人員を削減できるなどのメリットもあり、色々と手間を省いて効率化を図ることが出来るので、ECサイトを導入するのは良いのだと思いますが、なんでもかんでもECサイトにしてしまえば良いかと言ったらそうでもありません。
例えば、企業が使うような業務用の工業製品のECサイトなど。
そういう商品の場合、ネットで検索をして情報収集し、良いものがあれば買ってしまおうと考えている方もいらっしゃると思いますが、”まずは情報収集をしてから”というように即決出来ないケースもたくさんあります。
また、知りたい事というのは人それぞれ違いますので、ウェブサイトはチラシのように文字数とか表現するスペースが限られているわけではありませんが、検索をしたユーザーが知りたいと思う事、すべてをウェブサイトに出すというのは、現実的ではありません。
自分たちでは気が付いていないような疑問や質問をユーザーが持っているケースも多々ありますので、それら全てを網羅する事はほぼ不可能です。
そして、こういった高額な商品や企業で使う物などは、探すほうとしても極力失敗したくはありませんので、”買う前に相談が出来たらいいな”と思うユーザーもいると思います。
もちろんECサイトであったとしても電話番号が記載されていますし、質問などはメールフォームから送ることが出来るようにはなっていますが、「購入」というゴールへの動線をはっきりさせたいがために、そういった他の連絡方法などはあまり目立たなくさせているケースがありますよね。
これは「購入」というコンバージョンへ、極力無駄な動きをさせたくないという気持ちもあるのだと思いますが、ECサイトの運営側にとっては「顧客対応などの時間や手間をかけたくない」という気持ちもあります。
検索からユーザーが流入し、なんとなく良さそうだなと思っていても、失敗はしたくない・・・。だから細かいところを質問したいけどのだけど、質問の仕方がわからない・・・。
もし仮に、それが原因で購入もせずに離脱をしてしまったとしたら、それはすごくもったいない事ですよね。
ECサイト運営側としても「お問い合わせの対応をする時間や手間をかけたくない」と思ってしまっているわけですから、目論見としては当たっているとも考えることが出来ますが、そもそもECサイトを運営するという事は、売上を上げていくことが目的であり、時間や手間はかからないけれども売れないというのでは、ちょっと本質からズレてしまっています。
ユーザーとしてみたら、不安な点を解消することが出来れば購入したかもしれないのに、「これ見て買うの?買わないの?」と2択を迫られたため、結果として購入せずにウェブサイトから離れていってしまっているユーザーが多数出ているという状況であれば、それは改善しなければいけません。
こういった場合、ECサイトを活用することも「販売完了」をコンバージョンに設定することも良いと思いますが、それだけにせず「資料請求」だったり「お問い合わせ」なども同じようにコンバージョンとして設定していくと、より良い販売活動が出来るのではないかと思います。
ECサイトだけで完結できれば、それはもちろん企業にとっては良いことなのかもしれませんが、お客様あっての商売ですからね、「お客様にとって何が必要なのか」を考え、実行していくことが、リスティング広告やネットでの販促活動における成功の鍵の一つなんじゃないかと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智