絞り込めば良いというわけではない
リスティング広告のパフォーマンスを上げるためには様々な方法がありますが、リスティング広告を運用しているときに「費用対効果を上げたい」、「予算内でもっと多くのコンバージョンを獲得したい」と考えたときに、現段階で、比較的良い結果が出ている部分に広告費を集中投下していく、「絞り込み」という方法がまずは選択肢の中に入ってくると思います。
低予算でコンバージョンを獲得出来ているキーワードだったり、コンバージョンが獲得できている地域、時間、PCなのかスマートフォンなのかというデバイスなど、効果が高そうな所に対して他に使っていた予算も集中して投下していく方法で、限られた予算内で最大限のパフォーマンスを出すためには非常に有効な手段だと思います。
このように効果の高いところに絞り込んで広告配信をしていくというのは、効果改善をしていく上では有効で、ある意味ベーシックな改善方法ではありますが、これが全てに当てはまるかと言ったら、そうではありません。
例えば、”来店”がリスティング広告の目標としていた場合、正確にコンバージョンの計測が出来ていない事があります。
きちんと正確にコンバージョンが計測出来ているのであれば、効果も一目瞭然なので、あとはその効果の高いところへ絞り込んでいけば、効果も上がりそうだと想像出来ますが、正確にコンバージョンが計測出来ていない場合、「ここは効果が高そうだから」という想定の元、予算を掛ける部分を絞り込んでいってしまったら、その想定が間違っていた場合、逆の効果を生んでしまう可能性がありますよね。
目測を誤ると、効果を上げようと改善したのにもかかわらず、効果が下がってしまうという、とても残念な結果となってしまうので注意しなくてはいけません。
正確にコンバージョンが計測できない場合、リスティング広告の管理画面上で、様々なレポート機能を用いて、ユーザーの事を想像できる数値を色々と出してみたり、管理画面内だけではなく、アクセス解析の数値なども参照し、予測の精度を高めていく必要があります。
「正確にコンバージョンを計測できるようにしていく」というのも一つの手ですが、限界がある場合も多いので、どこかをゴールにする/何かしらのゴールを決める、というのは良いですが、”コンバージョンの計測をするためにリスティング広告をやっている”という状態にだけはならないようにしましょうね。
このほかには、「絞り込むあまり数が取れなくなる」なんて事もあります。
絞り込んで1件あたりの獲得コストは下がったが、コンバージョンの”数”が取れなくなるという状態です。
それを望んだのであれば良いのかもしれませんが、目標コンバージョン数に届かなかったというのであれば1件あたりの獲得コストをいくら下げても意味のないものになってしまいますので、そこは「絞り込む」という方法だけで改善するのではなく、それ以外の改善方法を組み合わせたりして考えていかなければいけませんね。
基本的に、リスティング広告のパフォーマンスを上げていくために「絞り込む」という考え方は大切なことですが、あくまでもケースバイケースで、そればかりにならないように気を付けなければいけません。
株式会社アイエムシー 大塚雅智