スマートフォンにだけリスティング広告を出したい時の対策
Yahoo!広告のユニファイドキャンペーン、Google広告のエンハンストキャンペーンが導入されてから、もう1年以上経ちましたね。
当初は多少混乱した方もいらっしゃったかもしれませんが、もうだいぶ慣れてきましたよね。
このユニファイドキャンペーン、エンハンストキャンペーン導入された理由として、公式のアナウンスでもあるように「マルチデバイス」にあります。
一つのキャンペーンで、PC、タブレット、スマートフォンとすべてのデバイスに対して広告を出すことが出来るようになったので、初めてリスティング広告を出稿する方などは、今まで以上により簡単に様々なデバイスへ広告を出稿する事が出来るようになりました。
しかし、これにより、それまで「スマートフォンユーザーだけがターゲットだ」という方は、スマートフォンにだけ広告を出稿するという事が出来なくなってしまったので、少し困ったことになってしまいましたよね。
現在、PCやタブレット端末にだけリスティング広告を出す場合(スマートフォンには広告配信しない場合)、スマートフォンの入札価格の調整率を-100%にすれば広告の配信を止めることができます。
このスマートフォンの入札調整率というのは-100%~+300%の間で調整する事が出来ますが、これはPCを基準として、スマートフォンの入札価格を調整するためのものなので、”スマートフォンに力を入れて広告を表示させていく”という事は出来ても、スマートフォンにだけ広告を掲載し、PCの広告は一切出さない、という事は出来ません。
なので、仮に「スマートフォンへ入札価格100円くらいで出稿したい」と思ったら、PCの入札額を25円にし、スマートフォンの入札調整率を+300%にすれば、スマートフォンでの入札価格は100円に設定されますが、同時に、PC、タブレット向けにも25円という入札額で出稿されることになるため、完全にスマートフォンにだけ広告を出すという事は出来ません。
他の方法として、「広告文を作る時に”スマートフォン優先”の広告文だけを作っておけばPCには表示されないんじゃないか」と考える方もいらっしゃると思いますが、これもあくまでもスマートフォン「優先」なので、スマートフォン優先の広告文だけを広告グループに作ったとしても、PCのほうへも広告が配信されてしまいます。
この「スマートフォンのみの広告を出稿するという事が出来ない」という仕組みについてはいろいろと問題があるようにも思えますが、現状、出せないものは出せないので、スマートフォンユーザーだけがターゲットだという場合にはいろいろと考えていかなければいけません。
もちろん施策はいろいろとあり、考え方次第だと思いますが、一例として、スマートフォンの入札調整率の+300%を使い、なるべくPCのほうへ広告が出ないようにしつつ、それでも少数ながら広告が表示されてしまうPCのほうは、広告のリンク先ページとして、スマートフォンサイトへ誘導するような専用のランディングページを作るなどしていく事で”ある程度は”解決出来ますよね。
PCとスマートフォンの広告配信について、管理上、効果測定をするためにキャンペーンを分けておきたいという方もいらっしゃると思いますが、そういった問題は、レポート作成をするときなど、うまくカスタマイズしてデバイス毎の数値を出していけば、特に問題はありません。
最初の慣れないうちは、「管理画面で一目でわからない」とか、「レポート作成が面倒」だとかと大変に感じましたが、慣れてしまうとそんなに大変なことでもありませんよね。
上記のように、スマートフォンユーザーだけがターゲットだという方達にとって、”スマートフォンにだけ”広告を出せないというのは、いろいろと不都合だという方も多いと思います。
今後はどうなるかわかりませんので何とも言えませんが、そういった点が改善されていく可能性も十分にあると思います。
ですが、現段階ではスマートフォンにだけ広告を出稿するという事が出来ないため、スマートフォンユーザーだけがターゲットだという場合には、いろいろとアイデアを出していき問題解決をしていかなければいけませんね。
株式会社アイエムシー 大塚雅智