キーワードのマッチタイプの特長を理解する
リスティング広告には「完全一致」、「フレーズ一致」、「絞り込み部分一致」、「部分一致」と、マッチタイプが存在します。
リスティング広告運用方針や戦略に応じて、キーワードを設定する際、それぞれにマッチタイプを設定する事が出来ます。
中には同じキーワードを、マッチタイプを変えて、それぞれ入札するなんて事もあります。
このマッチタイプについてのご質問はかなり多いですが、どれで設定をしたら良いのか、というのは、まさしくケースバイケースであるため、「全部完全一致がいいよ」とか「部分一致のほうがいいよ」なんて簡単に言えるものではありません。
現在の運用状況を見ながら、運用方針を確認し、決めていく事が大切です。
そのためにはまず、それぞれの役割と特長を把握しておかなければいけませんよね。
普段、リスティング広告を運用されている方からすると、「それくらいわかっているよ」と思われる内容かもしれませんが、そういった方は復習の意味も込めて確認してください。
・完全一致
→入札したキーワードとユーザーが検索をしたときのみ、広告が表示される。
無駄なクリックを極力なくしたい時、見せたい広告文がそのキーワードで決まっている場合に使用する。
・フレーズ一致
→”賃貸 物件”というフレーズ一致で入札したキーワードは、そのフレーズが一致したキーワードで検索が行われた時のみ、広告が表示される。
広告表示例)「東京 賃貸 物件」、「賃貸 物件 目黒区」
広告表示がされない例)「賃貸 東京 物件」、「賃貸 目黒区」
これは完全一致の幅を広げたマッチタイプという事になります。
・絞り込み部分一致
→+賃貸 +物件という絞り込み部分一致で入札したキーワードは、そのキーワードが含まれるキーワードで検索された時に、広告が表示される。(順番は関係ない)
広告表示例)「物件 目黒区 賃貸」、「賃貸 東京 ペット可 物件」
・部分一致
→入札しているキーワードはもちろん、タイプミス、送り仮名の間違い、多少のキーワードの揺れ、関連性のあるキーワードなども広告掲載されます。
こういった、それぞれのマッチタイプの特長を踏まえた上で、どのマッチタイプにしたら良いか決めていかなければいけません。
これだけ書くと、「とにかくたくさんのキーワードを全て完全一致で入札するのが一番良いのではないか?」というように思ってしまうかもしれませんが、そうとも言えません。
まぁ理想を言えば、全部完全一致のほうが良いのかもしれませんが、検索クエリレポートを見たことのある方であれば、わかると思いますが、出稿をする側で想像出来るキーワードというのはかなり限られており、どんなに様々な種類のキーワードを考えたところで、検索クエリレポートを確認してみると「ああ、こういうキーワードもあったか」というものがたくさん出てきますよね。
また、そういったキーワードがコンバージョンを獲得していたりすると、完全一致だけでは少なからず取りこぼしが発生してしまうんだ気が付きます。
それでは、部分一致や絞り込み部分一致が良いのか?と言ったら、そうとも言い切れないところもありますよね。
部分一致で入札をした場合、こちらで想定していなかったキーワードでも広告表示する事が出来る代わりに、関係のない、ターゲットではないキーワードにまで広告が表示される事があります。
なので、部分一致、絞り込み部分一致での入札をする場合には「除外キーワードの設定」も合わせて行わなければいけません。
例えば、ネイルサロンとかで来店促進、または予約を目的としたリスティング広告をおこなう場合、このサロンは現在求人は行っていないのに「ネイルサロン 求人」という検索クエリで広告表示され、広告がクリックされているというケース。
来店促進や予約を目的としている広告文であったとしても、ネイルサロンで働きたい人は”ウェブサイト内に求人情報が無いか?”と見に来ますからね、来店や予約目的なのに広告文で「只今求人していません」なんて書ければクリックしないかもしれませんが、限られた文字数をそんなことに使うのは、ハッキリ言って得策ではありません。
こういった場合、除外キーワードに「求人」というキーワードを入れておくと、その後の「求人」が含まれているキーワードでは一切広告が表示されなくなります。
このように部分一致、絞り込み部分一致、フレーズ一致では除外キーワードをうまく使っていく事が成功への近道になります。
広告予算を効果の高い部分に集中投下していくことで、リスティング広告のパフォーマンスを上げる事が出来ますが、それをするためには「どこが効果が高いのか?」を知ることから始めなければいけません。
そのため、リスティング広告導入直後は、部分一致や絞り込み部分一致+除外キーワードメインで運用していくのが良いのではないかと思います。
ただ、これはあくまでも一般論で、例えば広告予算が少ない場合など、テストマーケティングをやっていく時間や予算がないという場合には、初めから完全一致メインでやっていかなければいけないケースもあります。(もちろんキーワードの選び方にもよりますが)
このように、マッチタイプだけでも奥が深いリスティング広告ですが、マッチタイプを使いこなす事が出来れば、コンバージョン数を増やす事はもちろん、コンバージョン率を上げたり1件あたりの獲得コストを下げたりする事が出来るので、きちんとそれぞれのマッチタイプの特長を理解し、運用方針に合わせたマッチタイプの選び方をしていくと良いと思いますよ。
株式会社アイエムシー 大塚雅智