品質スコアと広告ランクは全くの別物
リスティング広告を運用していると、様々な数字が出てきます。
もちろん、それぞれに意味があり、リスティング広告を運用する目的やも目標に合わせてその数字を改善していかなければいけませんが、まずはその数字の意味を正しく理解しなくては改善のしようもありません。
そういった運用で出てくる数字の中に、「品質スコア」と「広告ランク」というものがあるのですが、これを同じものだと認識していたり逆の意味で覚えていたりする方がたまにいらっしゃいます。
「管理画面内に、品質スコアの項目はあるけれども広告ランクの項目はないから、同じものだと思っていた」という方もいらっしゃって、確かに、”広告ランク”は管理画面上出てこない数値ですし、品質スコアも広告ランクも広告の掲載順位に関する数字なので、混同してしまうのも無理はないのかもしれません。
このように、数字の意味も、考えようによっては”近い”ので同じように考えてしまっているのかもしれませんが、品質スコアと広告ランクは全くの別物です。
“品質スコア”とは、入札しているキーワードごとに、割り振られている10段階のスコアで管理画面でも確認する事が出来る数字です。
キーワードと広告文、広告のリンク先ページとの関連性の高さや、広告のクリック率、過去のアカウントのデータなどの要素で、それぞれキーワードごとに個別で決まっている数字です。
一方、”広告ランク”とは、「入札価格×品質スコア」のことで、ユーザーが検索をした際の広告が出るタイミングに、自社と競合他社との広告ランクが比較されて、広告ランクが高い順番に広告が掲載されるという仕組みになっています。
なので、「今よりも上位に広告を掲載したい」というのであれば、入札価格を上げるか、品質スコアを上げるか、その両方か、という施策をしていかなければいけません。
また、「今の掲載順位のままクリック単価を下げたい」というのであれば、品質スコアを上げて入札価格を下げる事で、クリック単価を下げることが出来ます。
品質スコアと広告ランクは、少し性質は似ていますが改善方法やその役割は全く違う数字なので、改善したい箇所ややりたいことによって、改善策が変わってきますので、その点注意しておかなければいけませんね。
「品質スコアを改善したい」と考える方は結構いらっしゃると思いますが、品質スコアが1とか2とか3というように、極端に低い場合は、広告がきちんと表示されていない可能性もありますし、そのような場合には広告文や広告のリンク先、キーワードそのものに問題がある場合が多いので、その問題点を見つけ、適宜修正していけば改善されていきます。
ただ、きちんと広告が表示されるレベルで品質スコアを保っているならば、あまりその数字に固執せず、”品質スコアの改善は手段の一つ”という認識で、目標を達成するための改善や基本に忠実に改善をしていけば、自然と品質スコアも上がるのではないかと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智