屋号や会社名をキーワードとして入札するか、しないか
リスティング広告を運用する際に、どうしようか?と思ってしまう事の一つに、「屋号や会社名をキーワードとして入札するか/しないか」という問題がありますよね。
検索エンジンで屋号や会社名を検索したときに、一番上はおろか、1ページ目にも2ページ目にも出てこない、という状態であれば、コンバージョンになるかならないかなどを無視してでも屋号や会社名を入札していったほうがいいのだと思いますが、”屋号や会社名で検索をしたら、自然検索で一番上に表示されているよ”という場合、入札をしたらいいのかどうか、と迷われる方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、ケースバイケースで、どちらが良いかという事もないのですが、一般的に考えると、入札するメリットもあるので、入札していても損する事はあまり無いと思います。
屋号や会社名をリスティング広告でキーワードとして入札するメリットとしては以下のような事があげられます。
まず、「検索結果画面の占有率を上げることが出来る」という点です。
屋号や会社名で検索をしたときに自然検索の一番上に表示されているという場合、その屋号や会社名をリスティング広告で入札すると、自然検索の上部に自社の広告文が表示される事になりますよね。
上に広告文が挿入される事で、自然検索2位以下の検索結果が下に移動する事になり、画面ギリギリに入っていた検索結果は画面外に押し出されることになります。
もちろん、押し出される検索結果が自社のコンテンツだ、という事も十分考えられますが、それが他社だった場合、検索結果の外に押し出すことでユーザーの目に触れさせないことが出来るようになりますよね。
また、今ではスマホでの検索も多くなりましたが、スマホはパソコンに比べて画面も小さいため、パソコン以上に画面の占有率を上げることが出来ます。
このほか、競合他社が自社の屋号や会社名でキーワードを入札しているケースというのもありますよね。
そういった場合には、その対抗策として自社で屋号や会社名で広告を出すという事も検討しなくてはいけません。
「コンバージョン」という観点から考えると、”出来るだけ取りこぼしを無くすため”に、自社の屋号や会社名のキーワードを入札する事を考えておく必要があります。
一般的には、新規ユーザーを取り込むためにリスティング広告を出稿しているという方が多いと思いますが、自社の事を知っている人が売り上げに貢献しないわけではありません。
知っている分、コンバージョンになる確率も高いですし、先ほどの競合他社が入札しているケースのように、他社に持っていかれてしまったら、かなりもったいないし悔しいですよね。
そういったことをなるべく防ぐためにも、自社の屋号や会社名を入札しておいたほうが良いかと思います。
また、自社の事を知っていたとしても、「漢字を間違えて覚えている」とか「スペルを間違えて覚えている」なんていう場合もあり、漢字が間違っていたために、自然検索結果でも出てこないなんてことも考えられますので、そういった点を考慮して完全一致だけで入札しない、漢字間違いのキーワードも入札する、など対策を考える必要があります。
費用に関してのメリットですが、通常、屋号や会社名のキーワードはクリック単価が低い場合が多いと思います。
かけている予算にもよりますが、クリック単価が数円~十数円であれば、ある程度クリックされたとしても、予算全体に影響を及ぼす事もあまり無いと思いますし、そこからコンバージョンが獲得出来るならば、安い買い物ではないかと思います。
最後に、デメリットではないですが注意点として、効果測定をおこなう際に、アカウント全体で1件あたりの獲得コストやコンバージョン率を見る場合、屋号や会社名のキーワードの数値は、良い数値になる場合も多いので、その点だけ除外するなど注意して判断したほうが良いかもしれませんね。
以上、屋号や会社名のキーワードの入札についてでした。
これについては色々と考え方があると思いますので、どれが正しいと一概に判断出来るものでもありませんが、某フランチャイズ店などでは、正攻法ではなかなか難しかったものが、屋号キーワードを入札する事でが大きな成果をもたらした、という事例もありますので、まだ入札していないという方は一度試しにやってみると意外と良い結果に繋がるかもしれませんよ。
株式会社アイエムシー 大塚雅智