お問い合わせへの心理的障壁は意外と高い
リスティング広告を運用する際に、コンバージョンの設定をしますよね。
直接商品を販売するECサイトでは「購入完了」に、BtoBや、何かサービスを提供するビジネスであったり、高額商品なんかだと「お問い合わせ完了」や「資料請求完了」にコンバージョンを設定している方も多いと思います。
この、「お問い合わせ」や「資料請求」について、扱っている商材やサービスによって違いがあるのかもしれませんが、ユーザーは意外と”ハードルが高いな”と感じているケースが多々あります。
例えば、分譲マンションの販売会社やハウスメーカーなど。
広告主側(売る側)からすると、「お問い合わせをしたって、すぐに電話して営業するわけないだろう」とか、「資料請求くらいで毎日電話なんかしない」などと思っていても、ユーザーはそのように思っていないかもしれません。
一般的に不動産屋さんの営業って、”バンバン電話してアポ取って”とか、”いきなり自宅に訪問して営業する”という印象を持っている方も少なくなく、「気になる物件だけど、ここでお問い合わせしたらたくさん電話がかかってくるかもな」とアクションを起こすことに躊躇しているかもしれません。
せっかく訪問してくれたターゲットユーザーが「冷やかしではないけれども、本格的に決まっているわけではないし・・・。それなら問い合わせをするのはまた今度でいいか」という気持ちになってしまい、結果としてアクションを起こさなかったとしたら、それはすごい機会損失に繋がりますよね。
そういったユーザーを取りこぼさないために、最近ではウェブサイトのお問い合わせフォームに「しつこい勧誘、お電話は一切致しません」と記載してあるウェブサイトもありますよね。
こういったお問い合わせをする上での心理的な障壁を下げる事で、コンバージョンに結び付くケースもあると思います。
上記の例の他も、例えば、誰にも知られたくないデリケートな問題を解決してくれるサービスなども、広告主側が気が付いていない心理的な障壁があるかもしれません。
そもそも”誰にも知られたくない事”なのに、ネットで検索しただけで出てきた、所謂「赤の他人」に相談してよいものなのか?この人(会社)は信用できるのか?最近では情報漏洩の問題なども度々ニュースになるため、そういった点は大丈夫なのか?など。
こういったユーザーに対しては、やはり”ユーザーの不安を払しょくしてあげられる何か”がコンテンツ内にあると、ユーザーにとってはハードルが下がり、お問い合わせへとスムーズに流れていくのかもしれません。
このように、「自社がどうの」というわけではなく、「業界全体が一般的にどのように見られているか?」を意識し、自分だったらどうしてもらいたいのか?と考えることでコンバージョン率を上げていく事が出来ますし、”業界全体”の話であれば、競合他社も一般ユーザーからはそのように見られているということなので、その部分に対して何かしら施策を打っていく事は他社との差別化にもなりますので、ぜひ一度、自分の業界はどうなんだ?と考えてみる必要があるかもしれませんね。
株式会社アイエムシー 大塚雅智