キーワードに頼らない改善方法も考えてみる
少し前の話ですがYahoo!の検索が8月18日からSSL化されるという事が発表されましたね。
Googleは以前からSSL化されていましたが、それに合わせて(?)Yahoo!もSSL化されたようです。
そもそも、このYahoo!のSSL化、導入の目的は「より強固なセキュリティ基準を採用したサービスを提供するため」とあり、検索ユーザーのプライバシー保護やセキュリティのための措置ということですが、今回のSSL化で、ウェブサイトを運用している側の方であれば心配なのが、「検索クエリの情報が取れなくなる事」ですよね。
Googleでは以前よりSSL化されていたため、Googleアナリティクスでの自然検索の検索クエリを確認する事が出来ませんでしたが、今後はYahoo!検索での検索クエリも確認する事が出来なくなるということです。
リスティング広告では今までどおり、Yahoo!、Google共に検索クエリを確認する事が出来ますので、その点は安心出来るのですが、それでも自然検索の検索クエリを確認したいというニーズはあると思います。
一応、今後も自然検索の検索クエリを確認する方法として、Googleの「Search Console」を使えば”Googleの自然検索に限り”検索クエリを確認する事が可能です。
また、有償のアクセス解析ツールである「Similar web pro」は、検索クエリの取得方法がGoogleアナリティクスと違うらしく、このツールを使えばYahoo!、Google共に自然検索の検索クエリを確認する事が可能との事。
で、今回の本題ですが、Googleアナリティクスだけで自然検索の流入を確認していたウェブサイト運営者からすると、Yahoo!、Google共に今後は自然検索の検索クエリが確認できなくなるわけですが、
結論から言うと、「もうあまり自然検索の検索クエリを気にしなくてもいいのではないか」と思っています。
自然検索はリスティング広告と違い、検索ユーザーが検索するキーワード(検索クエリ)から、”このユーザーにはどの情報を欲しているのか?”という事を、検索エンジンが世の中にあるウェブサイトの中のコンテンツから選び出して自然検索順を付けて表示させています。
なので、昨今のSEO対策も、「特定のキーワードの順位がどうのこうの~」というよりは、「ターゲットユーザーに対して為になるコンテンツを作り、その結果幅広くキーワードを拾いアクセス数に繋げよう」という方向になっていますよね。
つまり、「自社サイトにターゲットユーザーを呼び込みたかったら、そのターゲットユーザーの為になる質の高い独自の情報を発信し続けていくこと」が、自然検索での流入を増やすポイントとなっています。
これはリスティング広告でも似たような部分があるな、と思います。
リスティング広告では、広告を表示させたいキーワードを自分たちで選ぶ事が出来る反面、意図としない検索クエリでも広告が表示される可能性があります。
そのため広告費の無駄を生まないために、管理画面内で検索クエリを確認し、要らないものは排除して・・・というようにしていかなければいけないですし、リスティング広告はキーワードの選定→入札する事から始まりますので、キーワード単位で取捨選択していかなければいけない部分というのは変わりませんが、小手先だけでキーワードをいじくり回す改善をするのではなく、もう一歩先にある「ターゲットユーザーに何を見せ、どのように反応してもらうのか?」という事を考えた改善をしていく必要があるのだと思います。
最初のキーワード選定の段階で、ターゲットユーザーが検索をしないキーワードを選定する人はあまり(と言うかほとんど)いませんよね。
なのに、リスティング広告がスタートしたあと、効果測定をして「このキーワードは良い」、「このキーワードは悪い」なんて判断するのはちょっとナンセンスというか、ターゲットユーザーに見てもらい、コンバージョンに至らなかったのは自分のせいなのに、あたかも、「キーワードが悪い」と”キーワードのせい”にしてしまうのはちょっと違うんじゃないかなとも感じます。
もちろん、限られた広告費をより有効に使っていくためには、キーワードの取捨選択をしていく事は非常に大切だという事は重ねて書きますが、その上で「なぜコンバージョンに至らなかったのか?」、「なぜターゲットユーザーの期待に応えられなかったのか?」という事を考えながらリスティング広告も改善していくと、より質の高い集客が出来るのではないかと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智