一度停止にしたものを元に戻すという施策
リスティング広告ではキーワード選定や広告文でターゲットの絞込みをおこなっていきますが、その前に、大枠でターゲットを絞り込むために、「地域ターゲティング」や「広告の時間配信」、「デバイスの入札調整率」などの設定でターゲットを絞り込んでいきます。
地域ターゲティングなどは、扱っている商品やサービスの”商圏”とも関係があるため、最初の段階で絞り込んで設定をする方も多いと思いますが、全国をターゲットとしたECサイトを運営している場合や、広告の時間配信や時間の入札調整率などは、ある程度リスティング広告を運用した後に、「ここは効果が高そうだ」とか、「ここは全然ダメだ」と、特定の時間帯にだけ入札価格を強化したり、逆に広告の配信を停止したりと設定をされていく方も多いと思います。
リスティング広告は運用型の広告なので、このように効果を計測しつつ、より効果が高まるのであれば、施策を繰り返していく事が非常に大切です。
「入札額を強化する」というプラスの施策をしていくのであれば、それはまた効果を測定し、仮に入札額を強化することで費用対効果が合わなくなってしまったり、獲得コストが高騰してしまったりする場合には、また元に戻したりと、考えていく事も出来ますよね。
ですが、費用対効果が合わない時間帯があり、アカウント全体の費用対効果を改善するために、その時間帯を停止するという施策をした結果、さらにパフォーマンスが悪くなってしまった場合に元に戻そうという発想がなくなってしまう方もいらっしゃいます。
「だってダメだったんだから停止にしたんだ、元に戻してどうするんだ」と考えているのだと思いますが、もし、停止にする前と比べてパフォーマンスが悪くなっているならば、勇気を持って元の設定に戻すという選択肢も考えておくべきだと思います。
改善の施策を繰り返しおこなっていき、思うようなパフォーマンスが得られない状態が続くと、もっといい施策はないか?新しい施策はないか?と、今まで試したことのない施策を求めてしまいがちです。
もちろん、新しい施策をどんどん試していくのは良い事なのですが、何も根拠の無い状態で新しい施策を試していくのは、コンバージョンが取れない深みにどんどんはまってしまう可能性があります。
広告予算を絞り込んでいくというのは、今まで費用対効果が悪かっただけだったものが、コンバージョン数が先細っていき、結局コンバージョンが1件も取れないような状態にもなりかねません。
獲得コストが高い段階で、獲得コストを徐々に下げていき費用対効果を高めていくという改善施策はいろいろとありますが、コンバージョンが獲れていない段階では費用対効果を高めていく術はありません。
なので、そんな状況に陥ってしまった場合には、深みにはまる前の段階で、その後停止にした部分も含めて一度元に戻し、そこからまた別の改善施策を進めていくとまた違った結果となる場合があります。
これはあくまでも改善施策の考え方の一つで、「改善の後戻りしないで前に進む」という方法も考えられますが、八方ふさがりになってしまった場合には、こういった考え方もあるのだという事を思い出すと良いかもしれません。
株式会社アイエムシー 大塚雅智