1件あたりの獲得コストだけで単純に比較する事は出来ない

カテゴリー: リスティング広告運用の考え方, 指標の改善 タグ: , , パーマリンク

リスティング広告を運用する上で、1件あたりの獲得コスト(CPA)を基準に最適化している方は結構多いですよね。

1件あたりの獲得コストとは、1件コンバージョンを獲得するためにかかった広告費の事で、低ければ低いほど、”費用対効果が高い”と判断する事が出来るため、キーワード単位、広告グループ単位、キャンペーン単位と、1件あたりの獲得コストを比較し、高いものは改善、または広告の配信停止にし、低く費用対効果の良いものはさらにクリック数を伸ばすべく改善をしていっているという方も多いと思います。

これはリスティング広告のアカウント全体で、広告をより効果的なものにしていくためには非常に大切な考え方で、全然間違ってはいないのですが、ただ単純に1件あたりの獲得コストだけを比較して最適化をしていくのが最善かと言ったらそうでない場合もありますよね。

キャンペーンでも、広告グループでも、キーワードでも広告文でも、それぞれ設定が変わってくれば広告の受け取り側となるユーザーが変わります。

例えば、お花屋さんのECサイトであれば、ストレートに「花が欲しい」というユーザーに向けたキャンペーンと、「誕生日プレゼント」を探しているユーザーに向けたキャンペーンと、2つ用意し広告配信したとします。

その結果、花が欲しいと考えているユーザーに向けたキャンペーンのほうが1件あたりの獲得コストが低くなりました。

これをただ単純に1件あたりの獲得コストだけで比較すると、「花が欲しい」というユーザーに向けたキャンペーンのほうが費用対効果が高いため、誕生日プレゼントのキャンペーンは止めよう、と判断をすることが考えられますよね。

しかし、誕生日プレゼントを探していたユーザーへの広告配信を止めてしまうと、あたり前ですが、そこからの売り上げは今後も見込めません。

広告の戦略や予算の都合上もあるので、一概にどちらが良いとは言えませんが、切り口が変わればターゲットも変わるため、1件あたりの獲得コストにある程度差が出てくるのはしょうがない事ですので、もし許容できる範囲内であれば、切り口の違うキャンペーンに対してはそのキャンペーン内で1件あたりの獲得コストを下げていくなどの施策をしていったほうが、将来的にも良いと思います。

以前からこのコラムでも何度か書いていますが、新しい切り口を見つけ、費用対効果が合うように育てていくのは非常に難しい事です。

「費用対効果が全く合わず、今後も改善の見込みが無い」と判断するのであれば停止するのも手ですし、そのキャンペーンのせいでアカウント全体で獲得しなければいけないコンバージョン数や1件あたりの獲得コストが合わないという状態になっているならば停止するのも仕方ない事だと思います。

ですが、もしアカウント全体に少しでも余裕があるならば、ただ単純に1件あたりの獲得コストで比較して「コレはダメだ」と早々に見切りをつけていくのは考えたほうがいいと思います。

株式会社アイエムシー 大塚雅智

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