スマートフォンがPCのコンバージョンに貢献しているケース
リスティング広告はより効果の高い部分に広告費を集中投下する事で、より多くのコンバージョンを獲得でき、費用対効果も高めていく事が出来ますよね。
“効率の良さ”だけ考えていればいいわけではありませんが、限られた広告費内で効率よくコンバージョン数を獲得しようと考えるならば、この方法が即効性も高く、確実に改善をしていけるのではないかと思います。
そのためにはきちんと効果測定をおこない、その測定した数値を元に「どの部分に絞り込んでいくか」と検討をしていかなければいけませんが、この測定した数値を元に改善をしていった結果、費用対効果が上がるどころか、下がってしまった、なんていう状況になってしまう事もあります。
例えば、効果測定をおこない「PCとスマホだとPCのほうがあきらかにコンバージョン率が高く費用対効果がよい。逆にスマートフォンユーザーはクリック数の割にはコンバージョン率も低く、費用対効果が悪い」という結果が出たとします。
“効果の高い部分に広告費を集中投下する”というのであれば、このケース、スマートフォンへの広告配信を停止してしまい、その分の広告費をPCのほうへ振り分ける、という施策が考えられますので、その考えのとおりにスマートフォンの入札調整率を0%にし、広告配信を停止にしました。
またしばらくして、再度効果測定をしてみると、さらに費用対効果が高くなると思われたキャンペーンでコンバージョン数やコンバージョン率が減少していた、というものです。
もちろん、いろいろと検証をしていかなければ本当の原因を見つけることは出来ませんが、一つ可能性として、「スマートフォンユーザーもPCのコンバージョンに寄与していた」という事が考えられますよね。
コンバージョンとなる場合、ユーザーには何かしらのアクションをしてもらう必要がありますが、例えば、お申し込みフォームのような必須の入力項目が複数あるメールフォームを設置していた場合、出先からスマートフォンで検索を使い情報収集し、気に入ったのでお申し込みをしようと思ったが、入力項目がたくさんあったため、そのままの画面を保存をしておき、会社や家のPCから入力し、コンバージョンに至った、とか。
このようなユーザーの行動は実際にもあることで、多分皆さんもそういった使い方をした事のある方も多いのだと思います。
またGoogle広告では「デバイスを跨いだコンバージョン」という指標もあり、数年前から計測できるようにしてきた事から、Google自身も、このようなユーザーの行動を強く意識しています。
Google広告のヘルプには、このデバイスを跨いだコンバージョンについて、「Googleサービスへのログイン歴があるユーザーから集計した匿名データが使用されます。」とありますが、Googleアカウントを持っていないでPCやスマートフォンを使っている方もいらっしゃると思いますし、スマートフォンはYahoo!で、PCはGoogleで、と使っているユーザーやその逆のユーザーも多数存在しますので、そういったユーザーの事を含めて検討しなくてはいけません。
今回の例でいえばコンバージョン率だけを比較して最適化をしていくと、良かれと思ってしたことが裏目に出てしまうというような事も起こり得ますので、仮説を立てる際、改善をする際にはいろいろな可能性を検討する必要があると思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智