明確な根拠がなくても「仮説→施策」
先日、リスティング広告を運用している方とお話をしている時、こんなことを言われました。
「今、Yahoo!とGoogle両方に広告出しているけど、Googleのほうが相性いいような気がするんだよね」
その理由を尋ねると、
「お客様と話していると、Googleを使っているお客様のほうが話が合って成約にも結び付きやすい」と。
お客様がGoogleを使っているかどうかどうしてわかるんですか?と聞くと「う~ん、なんとなく」との事。
リスティング広告を運用していればコンバージョンを計測する事が出来ますので、Yahoo!からのお問い合わせなのか、Googleからのお問い合わせなのかというのは把握する事が出来ます。
そのコンバージョンを商談や成約まで追っかけていけば、Yahoo!、Googleどちらのユーザーが相性がいいのか、ある程度把握する事は可能です。
ですが、その方は特にコンバージョンを追っかけたりせず、ホント”なんとなく”Googleユーザーのほうが相性がいいと感じているようです。
この方がが言う事には、現段階で根拠が無く、コンバージョンを遡って確認していけば、本当にGoogleユーザーが相性がいいのか、それとも勘違いだったのか確認する事も出来なくはないですが、それはちょっと面倒だという事だったので、「じゃあいっそのこと、Google一本に絞って広告やってみたらどうですか?」と言ってみました。
何か施策を立てていくとき、データが揃っているのであれば、仮説の裏付けをそれらのデータの中から探しだし、より精度の高い仮説にした上で改善策を考えていきますが、必ずしもデータが全て揃っているとは限りませんので、その場合、その限られたデータの中から仮説を立て、施策をしていかなければいけません。
今回のような場合、本当に何も根拠の無いところから「Google一本に」と施策を立てましたが、こういった施策もアリなのではないかと考えています。
どんなに精度の高い仮説を考えたところで、仮説は仮説ですので外れる事もあります。
もし仮説が外れて以前よりもパフォーマンスが下がってしまったら、元に戻せばいいだけの話ですし、「Google一本に集中投下した」という事実とその結果は残りますよね。
数年前に比べて、アクセス解析ツールや効果測定ツール、方法などがものすごく増えて、広告の効果を判断するのにとても便利になりました。
しかし、そうなることで”明確な根拠が無ければ施策が立てられない”ようになってしまっては意味がありません。
ベストな方法ではないかもしれませんが、根拠が無くても、「まずは仮説を立てて施策を試すこと」が非常に重要なのだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智