2つの真逆なリスティング広告戦略
リスティング広告をはじめるとき、どういった戦略や方針で運用していくべきかというのを考えてはじめます。
戦略を考えてやってみたところで予測値とかなり違ったということもよくありますが、ひとまず戦略を考えるときの参考程度に2つの真逆な考え方をご紹介します。
必ずしも全てがこれに当てはまるというわけではないと思いますが実際に成果をあげることが出来た考え方です。
1、クリック単価は高くてもとにかく「コアなキーワード」を上位表示させ、コンバージョン率を上げていく方法
2、クリック単価の低いキーワードを広く拾っていき、とにかくクリック数を増やしていく方法
1の方法についてはそのコンバージョンが見込めると判断したコアなキーワードに集中して出稿し、除外キーワードの設定を行う以外は掲載順位に気をつけるくらいで、他はあまりいじらない。もしくは完全一致で出稿するというのも手かもしれません。
新たなキーワードの追加などは、よっぽどマッチしたキーワードでなければ追加はしないという方法です。
この方法の場合、改善するのはコンバージョン率です。コンバージョン率をどれだけ上げていけるかということにポイントを置き、広告のリンク先ページの変更、コンテンツの追加、アクセス解析の数値から導線の確認などを繰り返してコンバージョン率を上げていきます。
その単一のコアなキーワードに対して広告文、リンク先ページ(ランディングページ)の改善を常に行なっていくことでコンバージョン率を5%~10%とかに持っていくことが狙いです。
社内でウェブサイトの更新が出来る、またはウェブサイトの更新は外注している場合でもこまめな変更に対応できるという体制が整っていないと難しいですが、競合他社の動向など外的な要因であまり左右されず、自社のサービスや商品、ウェブサイトの使い勝手などと向き合った改善が出来るので堅実なやり方だという風に考える事も出来ます。
2の方法は、「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」じゃないですが、関連するクリック単価の低いキーワードを広く浅く拾っていき、とにかくクリック数を増やすという方法です。
なんだかんだ言っても、クリック数を増やしていけばコンバージョン率が多少低くても十分採算のとれるリスティング広告の運用が出来ます。
クリック単価10円~20円くらいで月間数万クリックを獲得できるというのであれば、こういった方法も良いかもしれません。
この場合、低単価でクリック数を増やすというところにポイントを置いて改善をしていきますので、大切なことはキーワード選び、キーワードの最適化とクリックされる広告文を作ることです。
初期の段階で入札価格が低くてもクリック数を増やしていけるキーワードを選ぶことが大事なので、競合他社が入札していないようなニッチなキーワードをたくさん集めてきたり、探したりすることが有効となります。
競合他社に人気のないキーワードというのは、検索ユーザーが少ない=インプレッション数(広告の表示回数)が少ないという傾向があるので、インプレッション数を増やすためにとにかくたくさんの関連キーワードに入札するということもやっていかなければいけません。
それだけでもまだ十分なインプレッション数に届かないと思うので、競合他社が入札しているキーワードにももちろん出稿しなければいけません。
その場合、掲載順位が低くてもクリックされやすい広告文を作るというのも低単価でクリック数を増やすという意味では重要になってきます。
低い単価で月間数万クリックを集めることが出来る状態に持ってくれば、リスティング広告の管理画面での数値改善が容易なので、その後、1件辺りの獲得コスト(CPA)の改善などにシフトしていけばかなり成果を実感できます。
しかし競合他社がどれくらいあるのか、低単価のキーワード群を見つけることが出来るのか、そもそもそのようなキーワード群が存在するのかなど外的な要因も多いため、ハマれば効果を出しやすいですがハマらなければそのポイントを見つけるまで時間がかかるかもしれません。
最初にも書いているとおり、今回ご紹介した2つの方法は全ての業種、業態で当てはまるというわけではないですし、やってみなければ分からない部分もあります。
なかなかこのケースに当てはまらないという方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のこの両極端な方法でリスティング広告の成果を上げることが出来ているのも事実なので、こういった戦略もあるのだと覚えておくのも良いかもしれません。
株式会社アイエムシー 大塚雅智