人物像を掘り下げて改善施策を考える
リスティング広告は広告の配信結果が全て数字として出てくるので、その数字を元に施策を考え、改善をしていく方も多いと思います。
その”数”から仮説を立てていくため、その元となる母数は大きいに越したことはないですよね。
広告の表示回数やクリック数などもある程度のボリュームが無いと判断出来ない事も多いですし、”広告の成果”を改善するためにはコンバージョン数も多いに越したことはありません。
広告の表示回数だったりクリック数だったりというのは、予算の関係もありますが、広告主側である程度コントロールする事が出来るので、「足りないな」と思えば、数を増やしていったり、母数が溜まるまで様子を見るなんて事も出来ますが、コンバージョン数に限って言えば、そうは出来ない事も多々あります。
ECサイトなどのようにコンバージョンが毎日、たくさん計測されているようなものであれば、あまり気にする事はありませんが、業種や扱っている商品によってはコンバージョン数が月に数件なんてものもあります。
「母数が大事だからコンバージョン数100件溜まった段階で施策を考えます」なんて言っていると、それが1、2年後なんて事にもなりかねませんので、そういうものは、少ないながらも仮説を立てて施策を考えていかなくてはいけません。
最初に書いたように、母数が多いほうが仮説は立てやすくなりますが、仮説というのは”あくまでも仮説”ですので、母数が多くても外れることもありますし、数が少ないからと言って、信用度の低い仮説になるとも限りませんよね。
コンバージョン数の少ない中での仮説の立て方というのは、方法は色々とあるかもしれませんが、「1件のコンバージョンに対して深く考察していく」事が大切です。
購入やお問い合わせをしてくれたお客様は、どんな人だったのか、どんなタイミングで検索をしてどのキーワードで、どの広告文で反応をしたのか、という人物像を捉えていき、なぜ、購入までに至ったのかを考えることで、狙うべき方向を見つけることが出来るようになるかもしれません。
この最初の人物像をとらえていくという点について、難しいように感じますが、例えばお客様になった人であれば、実際に会っているかもしれませんし、会ってはいなくてもメールや電話などでやりとりもしている事も多いと思いますので、意外と簡単に出来ますよね。
コンバージョン数が多いと、このように”1件ずつ人物像を掘り下げていく”ということが困難になりますので、コンバージョン数が少ないからこそ出来る事なのかもしれません。
このように掘り下げた人物像から、自社の商品はどんな人に合っているのか、どんな人が欲しいと思っているのか、というところから、「では、どこに広告を出すべきか」考えていくと、それが新しい施策になりますよね。
話は少し逸れますが、リスティング広告はよく「数字の改善をするものだ」と言われますので、数字に強くないといけないし、数字が出ていないと改善しようがないと考えている方も多いのかもしれませんが、実際に様々な案件に携わっていると、必ずしもそうでなはなく数字はあくまでも脇役で、大事なのはお客様を人物像や行動を想像するための「想像力」とか、施策の引き出しを多く持つ為の「知識」だったり、施策に対しての「決断力、実行力」などではないかと思っています。
株式会社アイエムシー 大塚雅智