リスティング広告の運用は長期的な視点で
リスティング広告の特長の一つに「即効性がある」というものがあります。
たしかにリスティング広告のアカウントを開設し、キーワード選定やターゲティングの設定など、各種設定を済ませ、広告費の入金をしてその広告費がアカウントに反映されればすぐに広告が表示されます。
キーワードの選定の仕方やターゲティング方法によって若干変わりますが、何の予備知識もないユーザーを呼び寄せるのではなく、あくまでも”その商品を探している人”や”その商品に興味を持っている人”がウェブサイトに訪問するため、販売までの行動が早いので、即効性があるというのは間違いではありませんよね。
そこからコンバージョン率だったり1件当たりの獲得コストだったりを計算しながら最適化していく、というのがリスティング広告の運用となりますが、その場の数字だけでは”正確な広告の効果”が測れないケースもあります。
扱っている商品やサービスによっても変わりますが、例えば通販サイトなどの場合、1件のコンバージョン(販売)が、その場だけで終わるとは限りませんよね。
そこからリピートしてもらい、一人のお客様が何回買って、いくら買って、と積み重なると1件あたりに掛けられる広告費も変わってきます。
またお客様それぞれにリピート回数や1階の買い物に対する単価も変わってきますので、そうすると、一つ一つのコンバージョンの価値も変わります。
例えばの話ですが、A、Bとそれぞれ100クリックあるキーワードがあった時、Aというキーワードはコンバージョンが1件しか付いていない、Bは5件コンバージョンが付いているが、Aのほうのコンバージョンでは100万円売り上げた、Bのほうでは5件合計で10万円しか売り上げがなかったとしたら、コンバージョン率は低いですが、Aのキーワードのほうが価値が大きいと考えられます。
ですが、Bのキーワードのお客様がすごくリピートしたら、AとBの価値は逆転するかもしれません。
もし、その場限りのコンバージョンだけで最適化していった場合、A、Bともに非常にもったいない結果となる可能性があります。
そうならないために、短期的な視点だけではなく、長期的な視点でデータを見ながら改善をしていってもらいたいなと思います。
この長期的な視点という事について言うと、リスティング広告の改善施策でも同じことが言えます。
効果としては即効性があったかもしれませんが、そこからさらに効果的な広告にしていくためにはいろいろと改善をしていかなければいけません。
そのためには広告文のA/BテストやランディングページのA/Bテストなどを行っていく必要が出てくることもありますが、1日2日ではデータとして十分な母数が得られないこともあります。
1週間、2週間、ひと月、場合によっては3ヵ月、半年、1年とデータを蓄積していかなければいけないこともあり、短期的な改善だけでは対応しきれないケースも多くあります。
「即効性」という言葉はとても魅力的ですが、短期的な結果を見ていくだけでなく、長期的な視点で運用を見ていくと、さらに効果を上げていく事が出来るかもしれません。
株式会社アイエムシー 大塚雅智