仮説を立てて改善策を考えるクセをつける
あたり前のことと言えばあたり前のことなのですが、改善策を考える時には、出てきた結果から「こうなんじゃないか?」と仮説を立てて、それから改善策を考えて施策をおこなっていきます。
「本当にあたり前の話だ」と感じている方が多いと思いますが、リスティング広告の運用をしている場合、出てきた結果(数値)→その数値の改善策を考える、というように、仮説を立てる部分が抜け落ちているんじゃないかな、と感じることが多々あります。
例えば、ウェブサイトの改善やランディングページの改善をおこなう場合、「アクセス解析の数値から、新規ユーザーの直帰率が高かった」という結果が出たとしたら、その理由を考えますよね。
「新規ユーザーに対して説明が不十分だったからじゃないか」とか、「次ページへのナビゲーションが不十分だったんじゃないか」とか。
そこから、じゃあ何が必要なのか、と改善策を考えていくのが普通の手順だと思います。
ですが、リスティング広告は広告配信結果という数値に対して、それぞれの改善策がある程度確立されているせいか、結果に対しての仮説が抜けて、「数値→改善施策」となってしまっている気がします。
この「仮説を立てない改善」を繰り返しおこなっていくと、リスティング広告を活用している目的やその目標がブレていったり、一番大切な”ターゲットユーザー”が置き去りになるという危険性があります。
コンバージョン率が悪いからと、コンバージョン率の高いキーワードに絞り込んでいったり、コンバージョン率の高いキーワードのクリック率を上げたり、仮説を考えずに施策をしていくと、”根本的な原因”に対して仮説を立てていないため、短期的には数値の改善はされるかもしれませんが、長期的にはコンバージョンの母数を減らしていき、良い方向に向いません。
また仮説を立てるときには、「ターゲットユーザーが来ているのになぜ コンバージョン率が悪いのか」など、目的や目標、ターゲットユーザーありきで仮説を立てるため、置き去りになる事もありませんが、仮説を立てずに施策をしていくと、その大切な部分を考えないため、ある意味自己満足の改善になるような気がします。
そうならないためにも、きちんと効果測定をした後は、その結果に対して仮説を立て、その仮説に基づく改善施策を考えるクセを付けていったほうがよいと思います。
リスティング広告だけではありませんが、「仮説を立てて改善をする」ということは、リスティング広告を運用する上でものすごく重要な事だと思いますので、運用を担当している方は、それを忘れずにしていけたらと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智