“ユーザーにアクションを起こしてもらう”という事を安易に考えない
リスティング広告は、ユーザーにウェブサイトへ訪問してもらい、例えば、お申し込みをしてもらったり、そのまま商品を購入してもらったり、メルマガに登録してもらったりと、「アクション」を起こしてもらうことをゴール(コンバージョン)と設定することが多いですよね。
扱っている商品やサービス、または扱っているビジネスによって、この「アクション」は様々ですし、仮に同じようなビジネスをやっていたとしても、資料請求がゴールになる場合もあればメルマガ登録がゴールになる場合もあったり、またはその両方であったりと、広告主によってかなり変わります。
この訪問をしたユーザーにアクションを起こしてもらうポイントをゴールとして設定し、その数値やデータを計測する事で、より精度の高い集客へと繋げていったり、費用対効果の高い広告活動の為に改善していったりとするわけですが、この「ユーザーにアクションを起こしてもらう」という事について、広告主の感覚と、ターゲットユーザーとの感覚に少し違いがあるな、と感じています。
広告主側からすると、「ユーザーにアクションを起こしてもらう」という事を安易に考え過ぎている部分があり、突っ込んで言ってしまえば、「アクションを起こしてもらえる部分だけを用意しておけばいい」みたいに考えている節があるように思います。
逆に言うと、ターゲットユーザーは広告主が思っている以上にアクションを起こすことについて慎重になり過ぎていて、「慎重になり過ぎている」と書くとユーザー側が異常なように感じますが、実はそれはすごく真っ当な感覚で、それが当り前な感覚です。
例えば、通販サイトのリスティング広告で「無料サンプルを今だけ送料無料でお配りしています」と広告を出していたとします。
リスティング広告が表示されているということは、関連するキーワードで検索をしたということになるので、少なからず興味を持ったターゲットユーザーであることは間違いありません。
広告主からすると、「無料なんだから何のデメリットもないだろう」と考えますよね、タダで配るんだし、送料も無料なんだし、と。
でも、ユーザーからすると、「なんか怪しいな」とか「あとからすごい勧誘されるのかな」と感じるかもしれません。
広告主側は、ちゃんと所在もしている怪しい会社でも何でもなく、またその後、その商品の営業なんてせず、本当に気に入った人にだけ買ってもらえればいい、と思っていたとしても、ユーザーは勝手に「怪しい」とか「すごい営業をされる」と思ってしまう事もあります。
同じように、「無料相談」とかも、専門家に無料で相談できるなんてユーザー側は何も損しないじゃないか、と考えるのは広告主の勝手な考え方で、ユーザーも同じように考えているかと言ったら、必ずしもそうではありません。
無料にすればたくさん人が集まる、ハードルを下げればたくさん集まる、という考え方は正解ではありません。
自社のアクションを起こしてもらうポイントに対して、ユーザーはどのように感じるのか、不安に思う部分、不安に感じることは何なのか、という事を考え、アクションを起こす事に対するボトルネックとなっている部分を先回りして解決する事が出来れば、今以上に効果的な集客が出来ると思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智