クリック率はたいした指標ではない
たまに「クリック率ってどれくらいが適正ですか?」という質問や、「クリック率1%って高いですか?低いですか?」とか、「クリック率0.5%じゃ低すぎますよね?」など、クリック率の事を聞かれることがあります。
クリック率とは、広告の表示回数に対するクリック数の割合のことで、クリック率が高い=広告クリエイティブの質が高いと考える人が少なからずいるようで、そこから、クリック率を気にする方が出てきてしまっているのだと思います。
コンバージョン率であれば、「高ければ高いほうが良い」という考えも出来ますが(これも一概には言えないケースもありますが)、クリック率の場合、高ければ良いわけでもないですし、低いことが必ずしも悪いことではないため、”クリック率の適正値”というものはありません。
1%が高いのか低いのかも判断できませんし、0.5%が低すぎるとも言い切れません。
クリック率とは、先ほど書いたように広告の表示回数に対するクリック数の割合のことですが、広告の表示回数の中には”クリックされたくないユーザー”が含まれているケースも多々あります。
ビッグワードを入札している時なんかは特にそうですが、そのキーワードで検索するユーザーの中でターゲットとなるユーザーが一部分しかない、ということはよくありますよね。
そういった時には広告文を工夫して、「どうすればターゲットユーザーにだけクリックしてもらうのか」と考えて設定していきます。
しかしこのとき、クリック率だけを評価指標としてしまったら、「ターゲットではないユーザーからも広くクリックをさせる為の広告文」になってしまう恐れもあります。
リスティング広告を出稿する目的は、あくまでも商品購入だったり、お問い合わせ完了だったりと、”コンバージョン獲得”が目的となるはずなのに、クリックが目的になってしまっては全く意味がありません。
なので、クリック率の適正な数字や、高いとか低いとか、そういうのはどんな状況で広告を出しているのかによって変わるので一概には言えません。
一応クリック率を上げるということは、キーワードの品質スコア向上の方法の一つではありますが、これも先ほど書いたことと同様に、品質スコアの向上を目的にしてしまい、費用対効果を下げてしまってはハッキリ言って意味がありません。
目的(コンバージョン数や費用対効果)に合わせたクリック率の改善であれば良いと思いますが、そうでないのであれば、「クリック率なんてたいした指標ではない」くらいの気持ちで、あまり気にし過ぎないほうがよいと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智