ユーザーは広告文を読んでいるのではなく、勝手にイメージを読み取って膨らませている

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リスティング広告で成果を上げていくためには、キーワードの選定や設定、ウェブサイトの構造についてなど色々と考えていかなければいけない事も多いですが、広告文もリスティング広告を成功させるための重要なピースの一つですよね。

広告文については昨今、使用出来る文字数が多くなったり、Yahoo!でコールアウト表示オプションが使えるようになったりと色々な変更がありましたが、広告文を「ただ作る」のではなく、きちんとユーザーの事を考え、そのメッセージ(広告文)を受け取った時に、どのようにユーザーが感じるのか、という事を考えた上で、広告文を設定していくとより良い成果を生むことがあります。

ある通販会社のリスティング広告の例を一つご紹介します。

この会社が扱っている商品は特に男性、女性と区別をしていなかったのですが、検索クエリを見てみると、「女性用」とか「女性向け」という単語が入っているキーワードのクリック数は比較的多いのですが、コンバージョン率が悪く、費用対効果もよくなかったため、除外キーワードに「女性」とか「女」という単語を部分一致で登録したんです。

そのウェブサイトは「女性も安心」的なものもウリの一つで、それまでは広告文にも「女性にも多数ご購入いただいている」というようなことを書いていたのですが、女性向けのキーワードを除外する事にしたため、その広告文も一旦停止にし、どちらかというと男性に向けたメッセージに広告文を全て変更しました。

その後しばらく様子を見ていると、除外キーワードを設定した効果が表れてコンバージョン率や1件あたりの獲得コストが改善されてきましたが、思ったよりも改善されない・・・。

予想だともっと伸びるはずなのにな、と、今までやった施策を遡って見直すため、広告文を以前使っていた「女性にも多数ご購入いただいている」的な広告文を戻して、男性向けのものと合わせて改めてテストをしてみると、なんと女性向けに作った広告文のほうがコンバージョン率が約2倍も良いという結果になりました。

この結果を元に仮説を立ててみると、「女性も安心して購入出来る」とか「女性向け」という言葉に対して、男性ユーザーが安心感を得ているのではないかと。

ネット通販に対してはまだまだ抵抗感のある方も多く、amazonとか楽天のようなショッピングモールではなく、個人店のECサイトに対しては「ここ本当に大丈夫か?」と感じている方がいらっしゃいます。

ECサイトに限らず、BtoBのビジネスであってもウェブで何かしらのプロモーションを展開する時には「安心感」というものが非常に大切ですが、”ウチは安全ですよ!”とか”ウチは安心して買えますよ!”というようにストレートに伝えると逆に胡散臭く感じ、「ならその根拠は?」なんて考えにもなる方もいらっしゃって逆効果となる場合があります。

本来であれば女性客を取り込もうと「女性にも多数ご購入いただいている」という広告文を使ったのですが、それが実は男性客に対して安心感を与えるワードとなり、結果コンバージョン率が上がったのではないかと考えています。

扱っている商品や商材によって変わるのかもしれませんが今回の場合、女性は男性よりも慎重だ→その女性が多数購入している→じゃあ安心なウェブサイトなのか、と男性側が勝手に想像し、勝手に安心感を持って買い物をしていったのだと思います。

この「ユーザーに勝手に想像させる」という事について、今回は良い方向に向きましたが、逆のパターンで「勝手に悪いほうに想像する」という事もありえますので、狙って改善をしていくというのは本当に難しいかもしれませんが、ユーザーは広告文をただ読んでいるだけではなく、「広告文から勝手にイメージを読み取って膨らませているんだ」という事を肝に銘じ、広告文を考えていく必要があるのだと思います。

株式会社アイエムシー 大塚雅智

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