検索の”意図”を考察し無駄なクリックを排除する
リスティング広告は検索行動の直下に広告が表示されるので、広告主が提供しているサービスと、ユーザーが検索をした意図がバッチリ合えば、お問い合わせやお申し込みなどのコンバージョンに繋がりやすくなりますよね。
そのため、広告主からすると自社で提供しているサービスや商品を求めていそうなユーザー(ターゲットユーザー)が検索をしそうなキーワードや意図したものがあるよ、と伝え、自社サイトへ誘導するような広告文を作成していかなければいけません。
ただし、キーワードの選定や広告文作りだけでは不完全で、”ターゲットのねらいどころとしては間違いがないけれども、ユーザーの意図と提供しているサービスがズレてしまう”という事も起こり得ます。
例えば、日本全国で販促物のデザインなどを手掛けているデザイン事務所があったとします。
拠点は関東ですが、電話やメールだけのやり取りで納品は郵送でするため、日本全国対応し、また現在の顧客も日本全国に多数いる状況です。
その会社がリスティング広告を出稿したのですが、日本全国から受注する事が出来るため、特に地域ターゲティングの設定はせずに、「チラシ デザイン」など部分一致で設定していました。
その後検索クエリレポートを確認してみると、色々な検索クエリに混ざって「チラシ デザイン 大阪」とか、「チラシデザイン 福岡」など、各地の地名が入った検索クエリが多数出てきました。
先ほどから書いていますが、日本全国から受注しているため、大阪だろうが福岡だろうが、その会社からすると問題ありません。
また、大阪の同業他社、福岡の同業他社にも、そのほかの地域の同業他社にもサービスでも価格面でも負けているという認識も無かったので、それらの検索クエリはそのままにして出稿を続けていましたが、結果としてコンバージョンがうまく獲れない状況になってしまいました。
これについて、地域名の入った検索クエリとそのキーワードで検索をしたユーザーの”意図”を深く考えてみると、ちょっとズレがある事に気がつきました。
それは「地域名を入れて検索をしているユーザーは会って話がしたい」という事。
今では会わないですべてを完結させるサービスも数多くありますが、「会わないのは心配だ」、「細かな要望を面と向かって伝えたい」という需要もありますよね。
自社のウェブサイト内で、どんなに「会わないと手軽ですよ、会わなくても大丈夫ですよ」なんて伝えても、そういう方々には響きませんし、そもそも「会って打ち合わせがしたい」という願望を持っているユーザーにとっては遠方の会社は真っ先に候補から外れますよね。
広告文に自社の地名を入れたりなどの対応策もありますが、地名を入れた検索をするユーザーはほとんどがコンバージョンしないというのであれば、主要な地名は除外キーワードとして設定するなどの対策はしていったほうが良いと思います。
検索ユーザーと自社とのミスマッチをなくすことはもちろん、何よりも無駄なクリックを排除することは費用対効果の改善にも繋がりますので、検索クエリを確認する時は、どんな意図なのか?も考察していくようにするといいですよ。
株式会社アイエムシー 大塚雅智