前のものに戻すという施策も選択肢の一つ
リスティング広告は運用をしていく過程で改善を繰り返しおこなっていきますよね。
あまり効果的ではないキーワード/広告文の一時停止や無駄なクリックの排除を目的とした除外キーワードの設定などは、やったらやった分基本的には良い方向に向かう施策だと思いますが、例えば、コンバージョン率向上を狙ったランディングページの変更や広告文のA/Bテストによる変更などは場合によっては施策をする前よりもパフォーマンスが下がってしまう事もあります。
仮説が間違っていた、訴求の方法が間違っていた、ユーザーの心理を読み違えていたなど、原因は様々あると思いますが、そんな時、また新たな仮説を立てて、すぐにアクションを起こすことが出来ないような状況の場合には、ランディングページや広告文などを”前のものに戻す”というのも施策の選択肢の一つだと思います。
例えば、以前はコンバージョン率1%前後あり、さらにそのコンバージョン率を引き上げようと、新たにランディングページを用意し改善をおこなった結果、コンバージョン率が1%から0.5%まで下がってしまった、なんて事が起こったとします。
「やっぱり訴求の方法が間違っていたのかな」とか「アクションのフックになっていたのはここじゃなかったのかな」とか「コンテンツ追加したせいで使いづらくなってしまったのかな」などと、その原因を色々と考え仮説を立てて、「じゃあここをこうしよう!」とその場で改善が出来れば、あえて元に戻る事も無いのかもしれません。
しかし、ランディングページの中身を変えると言っても、社内にウェブの担当チームがあれば別ですが、ランディングページを含めウェブサイトの事を外注している場合、すぐに対応してもらえないケースも多々あると思います。
そんな時に、コンバージョン率0.5%のまま数日~数週間過ごしていたら、非常にもったいないですよね、1%と0.5%では2倍の差が出ますので、お問い合わせ数や販売数が2倍違うと考えると、ちょっとそのままにはしておけません。
なので、そういう時はまず「前のものに戻す」。
この、前のものに戻すという施策ですが、あくまでも暫定的な施策であって、数値の状態を前に戻すことは出来ても、そのままにしていたら数値上の成果もそのままです。
改善施策をした時には、目指すべき数値があったからこそ改善施策をしたのだと思いますので、また別の施策を打つまでの”つなぎ”としての施策になると思います。
ちなみに、管理画面内の変更であればGoogle広告にもYahoo!広告にも「変更履歴」というものがあり、”いつ、どんな変更を加えたのか”というのが確認出来ますので、「直前まで広告文どれだったっけな?」とか、「LPのURLがたくさんあってわからなくなっちゃった」なんて時は、その変更履歴を確認すると良いかもしれません。
また、Google広告ではこの変更履歴から、個々の変更に対して「ステータスを元に戻す」というボタンがあり、その変更前の状態に戻す事も出来ます。
“よくない箇所があったから”改善施策をしているわけなので、「前の状態に戻す」というのは、実は意外と勇気のいる事でもありますが、リスティング広告で成果を上げていくための基本は「効果的なところに予算を投下していく」という事ですので、前のものと今のもので、前のものが効果が高かったのならばそちらに予算を投下していく事も施策としては全然間違いではないと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智