コンバージョンという背景ありきでクリック率を見ていく
たまにクリック率をすごく気にされる方っていますよね。
「広告文のクリック率5%ってすごくないですか?」とか「キーワードのクリック率0.3%じゃ低いですよね」とか。
もちろん数字なので低いより高いほうが見栄えがして良いように感じるかもしれませんが、クリック率は高ければ良いというものではありません。
例えば、意味の広い所謂ビッグキーワードを入札していた場合、様々な意図を持った検索ユーザーがそのキーワードで検索をするわけで、その様々な意図を持ったユーザー全てがターゲットユーザーになるなんてことはあり得ません。
その中の一握りのユーザーがターゲットとなるのだと思いますが、そのユーザーにだけクリックされれば良いのであって、この場合で言えば、「クリック率が低い=ターゲットユーザーにだけ訴求出来ている可能性が高い」という事も考えられます。
「そんなビッグワードに入札しちゃダメだよ」とか「完全一致にするとか絞り込み部分一致を活用するとかキーワードの設定でターゲットを絞り込まなきゃダメだよ」なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなんじゃ狙えないターゲットユーザーが部分一致のビッグワードに潜んでいるというのは事実ですし、それらターゲットユーザーを取りこぼすことにもなります(こういった設定は予算の関係もあると思いますが)。
そもそもクリック率には”適正値”なんてものはなく、感覚的に「5%は高い」だとか「0.3%は低い」などと言っているだけですよね、検索されるたびに掲載順位だって変わりますし、掲載順位が変わればクリック率だって変わりますので、あまりクリック率を気にし過ぎるのは賢いとは言えません。
それよりも気にしなければいけないのはリスティング広告を出稿している目的である成果指標の一つ、コンバージョン率です。
クリック率が低くてもコンバージョン率が高く1件あたりの獲得コストが低ければ、それは優秀だと判断出来ますし、逆にクリック率が高くてコンバージョン率が低かった場合、それこそ「ちゃんとターゲティング出来ていないんじゃないの?」という話にもなります。
もちろんクリック率が全く関係の無い指標だと言っているわけではありません。
きちんとターゲティングされた中でのクリック率であれば、広告文がきちんと伝わっているかどうか、その訴求内容にニーズがあるかどうかなどの判断にする事が出来ますし、ある程度コンバージョン率が高いキーワードであれば、クリック率が上がれば上がるほどコンバージョン数が取れていくという事になりますので中間目標として活用する事が出来ます。
「コンバージョン」という背景ありきでクリック率を見ていくというのであれば、それはすごく良い事だと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智