代理店にリスティング広告の運用を依頼する時の気構え
先日、協業している会社の方から広告の件でご相談をいただきました。
他の代理店にウェブ広告全般頼んでいるのですが、肝心の売り上げが芳しくないようで、どうしたらよいかというご相談です。
Yahoo!、Googleの検索連動型広告、YDN、GDN、Facebook広告と一通りやっているようでしたが、どれも思うような結果が出ていないとの事・・・。
で、その代理店の方が言うには、「商品の単価が高すぎるから、まずは低単価で入り口となる商品を販売していき、そこからリピートを狙っていきましょう」と提案されたのだとか。
考え方としては間違いではないのかもしれませんが、その代理店から渡されているレポートは、Yahoo!検索、Google検索・・・と媒体名が並び、その横に広告のインプレッション数、クリック数、クリック率、コンバージョン数、コンバージョン率と並んでいるだけでした。
「レポートはこれだけですか?」と聞くと、「これだけです」と。
ウェブ広告については代理店に任せているし、信頼していると言えばそれまでですが、それにしてももう少しチェックをするものがあっても良いのではないかなと思います。
そもそも今回代理店に販売を依頼している商品というのは、所謂”売れない商品”というわけではなく、自社の販売ルートではきちんと売れている商品です。
価格も安いわけではないですが、競合他社の同様な商品と比べても特別高いわけではない。
私は最初にお話を聞いたとき、きちんとターゲットにリーチ出来ていないんじゃないかな?と感じ、その部分を確認して、ウェブ広告が良い方向に向かえばなと思っていたのですが、その段階では、どこにリーチしているのかはその会社内では把握されていないという事でした。
なので、まずは代理店の方に、検索連動型広告ならばどんなキーワードで、どんな広告文で出稿しているのか、YDN、GDNならどういうターゲティングでどの媒体に出稿しているのか、Facebook広告ならどんな設定をし、どんなクリエイティブで出稿しているのかなど確認しコミュニケーションを取るように伝えました。
その時は言いませんでしたけど、多分代理店とうまくコミュニケーションが取れていないのがウェブ広告で結果が出ていない原因なのではないかな、と思います。
リスティング広告やそのほかのウェブ広告は、ある程度専門性がある代理店に頼んだ方が効果は出しやすいですよね、やはりプロなわけですから、今までの経験則から「何をしないといけない」「何をしてはダメだ」という事をきちんと理解しているため自分でやるよりも効率もいいですし、効果は数段違うと思います。
ですがウェブ広告の代理店というのは、あくまでも”ウェブ広告のプロ”ではありますが、広告を出す商品やサービスのプロではありません。
その商品やサービスのプロというのは広告主の方々であり、商品やサービスの事はもちろん、その商品やサービスのお客様の事もよく知っているのは広告主の方々です。
ウェブ広告を成功させるために一番重要なことは「商品やサービスの事を深く理解する事」であり、それは、その先にいる「未来のお客様を深く理解する事」でもあります。
代理店に全てを頼んでしまえば、本業に専念する事も出来ますので楽と言えば楽なのかもしれませんが、商品やサービスの事、その商品のお客様の事を深く理解していないとターゲティングも曖昧になり、結果として狙いどおりの広告運用が出来なくなってしまいます。
そうすると、”コンバージョンは取れているけども費用対効果が良くない”だとか、今回ご相談いただいたケースのように”コンバージョンが全然取れない”というような状況になるのではないかと考えています。
そのような状況にならないためにもウェブ広告を代理店に任せる時は、商品やサービスの事、未来のお客様の事などをきちんと話が出来る代理店に依頼するというのが大切な事です。
定期的に顔を合わせ、現在どんな感じで出稿しているのかを確認し、わからない事や疑問に思う事を聞き、現在の集客状況を話すなど、コミュニケーションを図るだけでもパフォーマンスは変わると思いますし特にウェブ広告の運用に問題が無くても雑談ベースの打ち合わせでもいいと思います、雑談から新たな施策が生まれるなんてことは本当によくありますし。
お互いが理解し合ってはじめて、適切なターゲットへのリーチが可能になり、コンバージョンなどの結果が成果として出てくるのではないかと思います。
定期的に顔を合わせる事が出来ないような場合でも、今ではスカイプなど便利なものもありますからね、そういうものを駆使してコミュニケーションを取っていくのもアリだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智