思い込みで損をしないために
リスティング広告を始める時には、「ターゲットは○○だから、キーワードは△△で・・・」というように、ターゲットとなるユーザーを想定し、プランを立てていきますよね。
この最初に立てたプランや想定しているターゲットについて、実際に広告を配信してみると導入前に考えていたものと違ったなんてことはよくあることです。
これってリスティング広告では本当によくある事なので、リスティング広告を運用していく上で効果測定などで検証をおこない、そういったズレを正しい方向に直していったりするのも改善施策の一つになるわけですが、リスティング広告を運用した事がない方の中にはそうは思わない方もいらっしゃるみたいです。
「オレはこの業界長いんだから、オレがこうだって言ったらこうなんだ!」と・・・。
それが間違いだとは言いませんけど、変な思い込みをしてしまう事で「損」をしてしまう事もあるので注意が必要です。
以前、ある業種の方からリスティング広告の新規導入のご相談をいただいた時の話です。
事業を始めてから今まではあまりウェブサイトからの集客をおこなっていなかったらしく、ウェブサイトのリニューアルを機にリスティング広告を導入したいとの事。
リスティング広告の基本的な仕組みや、こんなターゲティングの設定が出来るなんて話をさせていただき、時間配信や曜日配信などが出来ることを説明してみると、「ウチのお客さんは昼間に検索なんてしないよ。夕方の6時~夜中の1時くらいまででいいよ」、「みんな忙しいから夜でも平日はほとんど検索なんてしないよ。金曜の夜から土、日、月まででいいんじゃないかな」とおっしゃいました。
その根拠を聞いてみると、「だって、うちのお客さんはみんな働いている人だよ?平日の昼間なんて見られるわけがないじゃないか」との返答。
例えば、その時間でないと自分のところがお客様に対応出来ないとか、そういった理由であればそのような限定的なターゲティング設定もアリだと思いますが、そうではなく「ウチのターゲットはそんな時間に検索しない!するはずがない!」と思い込みだけで広告の配信時間を絞り込み過ぎてしまうのはあまりよくありませんよね。
上記のようなケースは極端なケースなんだと思いますが、「Googleはウチの業界向きじゃない」とか「スマートフォンはウチの業界向きじゃない」とか、そういう事って少なからずありますよね。
もちろんきちんとした根拠があるならばいいですが、やる前からそのように決めつけてしまうのは、機会損失を生む原因となるので非常にもったいないことです。
実際にリスティング広告を運用してみると、「この時間帯がコンバージョン率が高いのか」とか「月曜日にコンバージョンが増えるのか」というような”意外な発見”が見つかる事がありますよね。
そうやって出てきた結果から、「この時間帯にコンバージョン率が高くなるのはなぜなのか」、「月曜日にコンバージョンが増えるというのはどういう意味なのか」と、その理由に対して仮説を立てていくことでさらなる改善に繋がっていきますし、そこまでしなくてもコンバージョンの傾向を知っておくだけでもいろいろと役に立ちますよね。
そうすると、リスティング広告の改善はもちろんですが、リスティング広告以外のマーケティング活動の場でも、そのデータは必ず活きてきます。
そういったリスティング広告以外の事も含めて、偏った思い込みをしてしまう事による損失というのは、大きいのではないかと思います。
「思い込み」が必ずしも悪いとは言いませんが、根拠の無い、偏った思い込みというのは、思っている以上に損失が大きいので、そういう思い込みがあるな、と感じている方は一度見直してみると良いと思います。
また、自分では”根拠の無い”思い込みだと気がつかない事もありますので、そういった時は他業種の方と意見交換をして、別の視点からの意見を聞いてみるのも、とても参考になると思いますよ。
株式会社アイエムシー 大塚雅智