紙媒体で反応の良かったキャッチコピーをそのまま使うのには注意
リスティング広告の運用をご依頼いただく際に、「広告文はこのチラシのキャッチコピーをそのまま使ってよ」と、紙媒体などのキャッチコピーをそのまま使ってくれ、いうようなことをおっしゃる方がいらっしゃいます。
そのキャッチコピーを使ったチラシの反応がよかったから、という理由のようですが、それをそのままリスティング広告の広告文に使ったからといって、反応が良くなるとは限りません。
そのキャッチコピーを気に入っているというのであれば、それを否定するつもりはもちろんありませんが、リスティング広告は、”キーワードごとに広告文を設定することが出来る”という特長もありますので、その特長を活かしきれなくなってしまいます。
より効果的なリスティング広告にしていくのであれば、チラシなどの紙媒体のキャッチコピーをそのままリスティング広告の広告文に使うというのはやめておいたほうがいいと思います。
リスティング広告は一つの広告文にする必要はなく、同じような意味のキーワードを一つの広告グループにして、その広告グループごとに広告文を設定することが可能です。
例えば、北海道旅行のツアーを販売している旅行代理店がリスティング広告を出しているという場合、「北海道旅行 年末年始」とか、「北海道旅行 12月」、「北海道旅行 冬休み」いう、年末年始の北海道旅行を探しているユーザー向けの広告グループでは、「年末年始の北海道旅行なら」という広告文を表示させることが出来ますし、「安い北海道旅行」とか、「北海道旅行 激安」、「格安ツアー 北海道」というように安く北海道旅行に行ける商品を探しているユーザへは「格安で北海道旅行をお探しの方」というような広告文を表示させることが出来ます。
同じように北海道旅行を探しているユーザーであっても、ニーズは様々ですので、そのユーザーのニーズに合わせた広告文を表示させることで、よりクリックされる広告にしていくことが出来ます。
これはもちろん、複数のキーワードを広告グループにまとめなければいけないという訳ではなく、キーワード一つ一つにそのキーワードに合った広告文を設定することも可能です。
また、リスティング広告の広告文は一つのキーワード(広告グループ)に対して、広告文が一つでなければいけないという事もありません。
数種類の表現や伝え方を同時に走らせて反応をテストすることで、さらに良い広告文を作り上げていくことも出来ますよね。
チラシのキャッチコピーをどのようなターゲットに向けて作ったわかりませんが、もし不特定多数の人が目にするもの、というように考えて作ったのであれば、リスティング広告では、競合他社がそのキーワードに合わせた広告文を作っていると思いますので、その中で比較されてしまうとチラシのキャッチコピーは”いまいち刺さらない広告”となってしまう可能性があります。
キーワードを分けることで、ユーザーをよりセグメントすることが出来るリスティング広告では、そのユーザーに合ったそれぞれの広告文を作ることがとても大事になります。
チラシで使い、反応が良かったキャッチコピーが、必ずしも悪いという訳ではありませんが、そのまま使いたいという理由だけでリスティング広告にも使ってしまうと特長を活かしきれずに、思ったような成果が出せない場合もありますので、その表現やニュアンスを真似た広告文を作るというのは良いのかもしれませんが、そのまま何も考えずに使ってしまうという事は避けたほうがいいと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智