コンバージョンにならないクリックが無駄なクリックというわけではない

カテゴリー: リスティング広告運用の考え方 タグ: パーマリンク

リスティング広告では、より効率よく広告費を使うために、より少ない広告費でお問い合わせや購入などの「コンバージョン」を得るために、無駄なクリックを減らそう!ということはよく言われるところですよね。

たしかに無駄なクリックを減らす事で上記の目的を達成することが出来るわけですから、無駄なクリックを減らすというというのは方向としては間違っていないかもしれません。

それでは「無駄なクリック」の定義とは何でしょうか?

「コンバージョンに至らないクリックすべて」と考える方が多いかもしれませんが、その考えは少々危険な感じがします。

コンバージョンになる/ならないが決まる要素というのはキーワードだけではありませんよね、広告文や広告のリンク先ページなどで決まることもあります。

リスティング広告においてはキーワードが大きな要素だと考える方もいらっしゃいますが、今までコンバージョンが1つも取れなかったキーワードに広告文を変更したら取れるようになった、とか、広告のリンク先ページを変えたらコンバージョンが取れるようになったという事例も多数あります。

また、そんなことを言ってしまえば、広告文や広告のリンク先ページだけではなくデバイス別時間帯配信、地域配信などリスティング広告の設定や購入カートやお問い合わせフォームの改善でコンバージョンが取れるようになるケースもあります。

このように考えると、ただちょろっとやってコンバージョンが取れないから、このキーワードは無駄なクリックの温床になっているなんて決めつけてしまうのはその後のコンバージョンのチャンスを捨ててしまうことにもなります。

また、通常リスティング広告を運用していたならば、コンバージョンが取れるクリックよりもコンバージョンの取れないクリックのほうが圧倒的に多くなりますよね。

それらのクリックに対して、「ああ、コンバージョンが取れなかったから無駄なクリックだ」とだけしか判断しないのではなく、例えば検索数のトレンドを分析してみたり、それらの検索クエリを確認してユーザーの気持ちを推し量ってみたり、気が付いていなかったニーズを発掘してみたりと、いろいろな新たな発想を得られることもありますよね。

そういった中から将来のコンバージョンの柱を見つけていくことが出来たりもしますので、コンバージョンにならない=無駄なクリックとは言い切ることが出来ません。

では、「無駄なクリック」とは何か?

それは「本当に関係のない、ターゲットではないユーザーにされたクリック」だと思います。

リスティング広告でコンバージョンを獲得するのでも、コンバージョンが取れるように改善していくのでも、前提としてあるのは「ターゲットユーザーにクリックされている」ということです。

ターゲットユーザーがクリックしているのにコンバージョンに至らないという状態は、やりようによってはコンバージョンになり得ますが、そもそもターゲットではないユーザーがクリック→ウェブサイトに訪問してきてもこんばーじょんになる確率は皆無ですよね。

よって、ターゲットではないユーザーからのクリックは「無駄なクリック」だということが言えますし、逆を言えばコンバージョンにならなくてもターゲットユーザーのクリックであれば、それは無駄なクリックではなく、その時に利益にはならずとも有益な情報を残すものと言えます。

上記のような理由から、広告を見せたい人に適切に出していくというターゲティングは非常に大切なことだということも同時に言えると思います。

株式会社アイエムシー 大塚雅智

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