1件の新規顧客に対する評価
リスティング広告の用途や使用する理由というのは様々あると思いますが、「新規顧客の獲得」や「新規見込み客の獲得」に主軸を置いて運用されている方が多いと思います。
何か欲しいものが出来て、その物を探したり、自分の悩み事を解決したいと思ったときの行動の一つに「検索」というものがありますが、この検索という行動をしたときに、探しものをしているユーザーと、自社の商品やサービスとを結びつける接点としては、リスティング広告は非常に有効な手段だと思います。
このリスティング広告を活用し続け、効果的に運用をし続けていくためには、リスティング広告からきちんと利益が出ている状態を作っていかなければいけませんが、それはつまり、使う広告費よりも利益が出ている状態という事になり、分解すれば、”リスティング広告で計測される1件あたりの獲得コストが1件あたりの顧客がもたらす利益よりも低くなければいけない”状態にしないといけないという事ですよね。
そのため、「1回の購入が大体いくらくらいで、そのうち広告費として使える金額がいくらで・・・」と計算をした上で、その数値を”1件あたりの獲得コストの目標値”とし、リスティング広告の運用を始めなくてはいけませんが、「リスティング広告で獲得する新規ユーザーの価値」というのは、その時に売れた商品の代金だけではありませんよね。
最初に書いたように、リスティング広告では「新規顧客」を獲得するために使用するケースが多いです。
一度購入をしてもらったユーザーに対して、接点を持ち続けることで2度、3度と購入を繰り返すリピーターになっていただけるかもしれません。
そうすると、「新規1件の顧客に対する価値」は上がりますよね。
先程書いたように、リスティング広告ではあらかじめ1件あたりの獲得コストの目標値などを決めて運用をしていきますが、この目標値が厳しすぎると、出来る施策の幅はすごく狭くなります。
本来、どこにコンバージョンの山があるのか、自社の商品やサービスがどの層に、どんなアプローチをしたら反応してもらえるのかと、いろいろとテストをおこなっていく事で、中長期的に効果的な運用が出来てくるのですが、この1件あたりの獲得コストの目標値が厳しい数値だと、手っ取り早くコンバージョンが取れる部分に集中投下し、いろいろなテストをする事が出来なくなってしまいます。
逆を言えば、ある程度ゆるい目標値ならば、色々と幅広い施策やテストなども実施できるので、長期的に見て伸ばしていける可能性が高まります。
もちろん、やったらやった分赤字になってしまうというのでは意味がありませんが、1件の新規顧客を適切に評価する事は、リスティング広告を成功させるための条件の一つだと思いますので、1件の新規顧客が自社にどれくらいの利益をもたらすのか?という事を検討してみると良いと思いますよ。
株式会社アイエムシー 大塚雅智