リスティング広告は自社とそのお客様の事を知ることから
先日、広告の運用についてのご相談をいただいた時の話です。
その方がやられている業種というのは、一般大衆向けのものではなくBtoCですが、ごく限られたユーザーがターゲットとなる商材。
リスティング広告もやってはいたが、最近はあまり成果が出ていなくて広告を停止してしまったとの事。
「10年くらい前は成果が出ていたんだけどね」と、よくある話だと言えばよくある話ですよね。
リスティング広告での競合他社が増えたというのも成果を下げる要因の一つだったのかもしれませんが、ここ10年でニッチな業界ではありますが同じような事を商売とする他社が増えてきて、業界的にもかなり変化があったとの事。
ここまで話を聞いて、リスティング広告や他の広告媒体に広告を出稿する事も検討しているようですが、業界内や自社を取り巻く環境も変わったということで、今一度マーケティングを見直そうという話になりました。
そこから約ひと月……、そもそもターゲットユーザーはどんな人物で、どんな思考で、どんなタイミングで行動に移るのか、また、他社の状況やその他諸々と考えて、いざ話をしに行ったんです。
ひととおり話をしたあと、その方開口一番「そんなことは分かっているんだよ、でどうするの?」と。
「10年以上前に考えているんだよ、そんなことは」と。
いやいや、考え方が重要ですよ、自社の立ち位置がどこなのか自覚することが大切ですよ、誰と戦うのか……と、諸々考えていかないと伝え方が定まらないですよ、10年前と状況が変わっているから改めて考えないといけないんじゃないですか?
などなどと、色々と話してみたのですが全く聞き入れてもらえなくて、話は流れてしまいました。
まぁ、私の力不足だと言ってしまえばそれまでなんですけど……。
リスティング広告を含む、ウェブマーケティングでは考え方が非常に重要です。
誰がターゲットで、そのターゲットユーザーはどんな思考でどんな行動を起こして……と。
リスティング広告というのは、そのターゲットユーザーが興味関心の高いと思われるタイミングで出すことが出来るわけで、その確度の高いタイミングの時に何を伝えればより効果的な広告になるのかというのは、ターゲットユーザーのこと、自分(自社)は何者なのかということ、競合他社はどこで、そこは何を言っているのかを知らなければいけません。
それらを踏まえたうえで広告を組み立てていかなければいけないのに、それらを取っ払って広告を出すなんて想像も出来ません。
「自分たちの事は誰よりも自分自身がよくわかっている」という気持ちも痛いほどよくわかるのですが、自分たちのお客様のことを知らない(知ろうとしない)人は結構いるように思います。
長年商売を継続されているならば、お客様のことを考えて、信頼してもらって、良いサービスを提供されているんだろうということはわかりますが、そのお客様が自社のサービスや商品に辿り着く前にどのような状況だったのか、どんな行動に出たのか等の事を真剣に考える方はそれほど多くありません。
今まではそれでなんとかなっていたのかもしれませんが、リスティング広告を活用しようと考えた時や、ウェブマーケティングで事業を拡大させるんだ!と考えた時には、まずは上記のような事を考えていかなければいけませんので、その部分で力を抜かず真剣に取り組んでもらいたいなと思いました。
株式会社アイエムシー 大塚雅智