商標登録している/されている語句に対する対処の仕方
先日「○○という会社の弁護士から広告文内の文言について商標登録されているものだから使わないでくれと連絡があった」とご相談をいただきました。
商標とは業務で扱うサービス名や商品名、屋号などを他社のものと区別するために独占して使う事が出来る標識の事で、商標登録されている語句というのは、商標権者の許可なく無断で使用することは出来ません。
その方は商標登録されているなんて全然気が付かずに広告文の中のフレーズの一つとしてその語句を使っていたようで、急に弁護士から連絡が来たらしく、ちょっと慌てていました。
その商標登録されている語句を聞いて、私も「それって一般名詞じゃなかったんだ」と驚いたくらい一般的に普及している語句だったのですけどね……。
今回のように、他社が商標登録していると知らずにその語句を広告文やキーワードで使用していた場合、先般書いたようにまずは連絡が来ますので、その時点で、ごめんなさいと謝り、当該広告文の差し替えやキーワードの停止、さらに除外キーワードの設定などをおこなえば、それ以上の事(例えば賠償金を払えだとか)にはならないと思います。
私は今まで10年以上様々な業界のリスティング広告を扱い、商標登録されている語句に対してのクレーム(なんて言うと怒られますが)を正確な数は憶えていないですが、40~50位は対処してきましたが指摘を受けた内容について、すぐに対処すればその後は何もなく終わることがほとんどです、というか全てです。
なので、先方から商標権の侵害についての連絡がきたならば慌てずに、まずは謝罪と広告の設定を変更すればOKかと。
適切に対応しないと、慰謝料とか賠償金とかそういう面倒な展開にもなりますので、気を付けましょうね。
逆に、自社で持っている商標権を他社で使われている事が発覚した時。
これも別に弁護士さんに相談をして代理人になってもらい……なんて面倒なことはせずに、自分で”ご担当者様~”とメールで自社で商標登録している旨を伝え、広告出稿を止めてもらえますか?と丁寧に連絡すれば、この場合も大抵はすぐに応じてもらえます。
このとき「おまえ何なんだよ!うちの商標使いやがって!」みたいなケンカ腰の伝え方をすると、先方も人間ですからね、いい気はしないですし、それが元で何かのデメリットを被ってもバカバカしいので丁寧にいきましょうね。
このように99%は当事者間で済ますことが出来る商標権についてですが、GoogleでもYahoo!でも、商標権の侵害については対処してくれます。
Googleは商標権の侵害申し立てフォームというものがあり、そのフォームから連絡すると、Google側で調査して対処してくれます。
Yahoo!も郵送で、商標権者本人かまたは法的な資格を持つ(弁護士とか)代理人のみが申請できるとの事。
ただし両社とも申し立てをしたからすぐに対処してもらえるわけではありませんので、やはり当事者間で解決する事が一番の手っ取り早くて楽な方法なのではないかと思います。
商標は正当な権利ですからね、知らずに侵害してしまったならば、即座に謝罪と対応を、自社の商標権の侵害を見つけたならば、こちらも即座に連絡と対処のお願いを。
それだけ出来れば、大きなトラブルになることはほぼ無いと思っていていいと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智