キーワードをきちんと効果測定できる環境を作る
リスティング広告はクリック課金型の広告なので、始める時にクリック単価(CPC)を気にする方が多いですよね。
人によってその感覚はそれぞれですが、1クリックあたり数10円くらいだという方もいれば、100円前後ならまだしも、150円を超えるあたりになると「おお・・・。」というように感じてしまう方もいらっしゃいます。
これは新規でリスティング広告を始める方だけではなく、例えば新しい商品に対して、新たなキャンペーンを作ってリスティング広告で販売をおこなう時などにも同じことが言えますが、初期の段階でクリック単価にこだわっていると失敗するケースがありますので注意しなくてはいけません。
もちろんクリック単価は低いに越したことは無いのですが、クリック単価を低めに設定した時に考えられるものとして、以下のような事があります。
・インプレッションシェアの損失が出る
・掲載順位が低いため、クリック数が増えていかない
以前、コラムにも書きましたが、「インプレッションシェアの損失率(広告ランク)」とは、広告ランクが原因で広告表示機会があったにもかかわらず広告が表示されなかった数の割合の事ですが、この広告ランクは「品質スコアと入札価格」で決まるため、入札価格を低く抑えれば広告ランクも低くなりますので、広告表示機会があったにも関わらず広告の表示がされないという事態に陥ります。
同じように、広告が表示されたとしても、広告ランクが低いので掲載順位も低くなり、上位に掲載された広告に比べればクリック数も少なくなりますよね。
これについて、「インプレッション数が少ないからダメだ」とか「クリック数が少ないからダメだ」という事を言いたいのではなく、「キーワードを適正に診断する事が出来ない」という事が問題なのではないかと思います。
インプレッションに問題がある場合、ユーザーが比較検討をしている時に広告が出たり出なかったりすると、コンバージョン率に影響が出る可能性が考えられます。
ユーザーが「さっきの商品、良かったなぁ」なんて思っていても、さっきは広告が出ていたのに、それ以降出て来なくなってしまったら購入する事が出来なくなり、結局他社の商品を購入してしまった、となったらせっかくのお客様を取りこぼす事になります。
そういう事が積み重なってくると、”そのコンバージョン率は本当に適正なものなのか?”という事になりますよね。
キーワードを最適化しようと考えた時に、きちんとインプレッションされていれば費用対効果の合うキーワードだったとしても、その事が原因で費用対効果の合わない、効率の悪いキーワードだと判断してしまい、そのキーワードの広告出稿をストップしてしまったら、その時ばかりの損失ではなく、今後先々、収益を上げる事が出来たはずのキーワードを失ってしまう事にもなります。
それは非常にもったいないことですよね。
また掲載順位についても、同じ事が言えます。
ケースバイケースではありますが、掲載順位が低いとコンバージョン率も低くなる傾向があります。
広告を上位掲載していたら費用対効果が合っていたのに、掲載順位が低い為に、コンバージョン率が低くなり、結果として費用対効果が合わない、というように判断をしてしまったら、これもこれでもったいないことです。
「じゃあ、言われた通り入札価格を上げたよ。だけどその分クリック単価が上がって費用対効果が合わないよ!」という方もいらっしゃるかもしれません。
入札価格を上げたら、クリック単価が上がるのはあたり前の話で、あとは商品やサービスによっては費用対効果が合うもの/合わないものというのが出てくると思いますが、そうしたら、その時に1件あたりの獲得コストを下げる施策を考えていけばよいと思います。
また、コンバージョン率を上げることでも1件あたりの獲得コストを改善する事が出来るので、コンバージョン率をさらに上げるにはどうしたら良いか・・・という事を考えていけば良いと思います。
そうやって、色々と施策をして「それでも元が取れない!」と判断した時に、初めて、そのキーワードを出稿停止にしようか、という判断をするのがベストではないかと思います。
キーワードを停止にする事は簡単ですし、いつでも出来る事です。
本当はお客様をたくさん獲得出来るキーワードはずが、適正に判断しなかったためにそのチャンスを逃してしまったというのはあまりにも惜しい事ですので、まずはきちんと”適正に”キーワードを判断するように心掛けていきたいですよね。
株式会社アイエムシー 大塚雅智