現場の声を施策に活かす
リスティング広告担当者はきちんと仕事をし、毎月改善を繰り返し、コンバージョン数を増やし、1件あたりの獲得コストは下げて・・・というように、結果も出しているにもかかわらず、実際にお客様と接する現場の人はあまり満足していないというようなことが起こる時があります。
この原因については様々あると思いますが、リスティング広告担当者が現場の状況や実際のお客様についてあまり理解しておらず、リスティング広告の数値だけを追って運用をしてしまった事が原因となっているという事がありますよね。
コンバージョンが効率よく獲得出来ているにもかかわらず、ターゲットではないユーザーからのお問い合わせが入っていたり、成約に結び付いたとしても、いろいろとうるさいお客様で、現場で対応しているスタッフが手を焼いていたり・・・。
リスティング広告の担当者は「こっちは集客しているんだから、そんなの現場でなんとかしろよ」と思うのではなく、リスティング広告でなんとか出来ないか考えていくという事も解決策の一つだと思います。
例えば、お付き合いしていきたいと思えるお客様、あまりお付き合いはしたくないと思うお客様というように、客層を分けた集客をする事も出来なくはありません。
今までお問い合わせが入り、商談となったお客様1件1件データを取っていき、検索の傾向を見つけることで客層を分けた集客が出来るようになる事もあります。
全ての業種で可能なのかはわかりませんが、データが溜まれば溜まるほど、より精度の高いデータになっていくため、例えば「この広告文からお問い合わせが入るお客様はあまり良くないな、という事は・・・。」というように仮説も立てやすくなりますよね。
そうする事で、お付き合いしていきたいお客様の割合が増えていけば、現場での不満も解消していく事が出来ます。
また、現場の人が満足していないというケースで、「売り上げが上がっていない」という不満が出る事もありますよね。
お問い合わせの数は増えているのに、そのお問い合わせから商品の購入やサービスの成約に繋がっていない事もありますし、購入していただいても、単価の低い商品ばかり購入するお客様が多いとか。
成約にならない事については原因が色々とあり、中には「営業担当者がきちんとクロージングしていないから悪い」と考える方もいらっしゃるのかもしれませんが、リスティング広告でおこなった”入り口”の部分がよくなかったという事も考えられます。
ユーザーがお問い合わせをしてきたときに、実際に提供しているサービス以上の期待感を持たせてしまっていたら、その後営業マンから直接サービスについての話を聞いたときに、少し違和感を感じてしまい成約にならなかったなんて事もあり得ますよね。
もちろんターゲットユーザーに対して期待を持たせる事は非常に重要なのですが、あまり大きな期待をさせてしまうと商談数のわりに成約数が少なくなってしまいますので気を付けなければいけませんし、ましてや誇大広告なんてしてしまったら、成約になんか繋がりませんよね。
リスティング広告の運用担当者はコンバージョンを効率よく獲得していく事を目指すのはよいのですが、その事自体が目標になってしまうと、「中身はどんなんでもいいからとにかくコンバージョンを」という考えになってしまう事もありますし、そんな事は思っていなかったとしても、その”中身”を普段から確認していなかったら、良いコンバージョンなのか良くないコンバージョンなのかも判断できず、結果として「ただコンバージョンを増やせばいい」という運用になってしまいます。
そうならないために、現場で実際にお客様と接している人とリスティング広告の運用担当者は定期的にミーティングをする機会を設けて、意見交換をする必要があるのだと思います。
これはリスティング広告の代理店を使っている場合にも同じことが言えると思います。
リスティング広告の代理店は、現場の事なんて、それこそ社内のリスティング広告スタッフ以上にわかっていないわけですから、広告主側からもそういったミーティングの時間をきちんと作り、現在のお客様の状況など代理店の担当者と共有する事が大切だと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智